2019年5月9日(木)
コウモリ似の新種恐竜
中国遼寧省で発見
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コウモリのように膜状の翼を持つ恐竜の化石が見つかったと、中国科学院の研究チームが9日付の科学誌『ネイチャー』に発表しました。コウモリ似の恐竜はこれまで1体の部分骨格をもとに1種が存在したことが報告されていますが、今回見つかったのはそれとは別の新種です。
化石は中国東北部、遼寧省の中生代ジュラ紀後期の約1億6300万年前の地層から見つかりました。全身の骨格がほぼ完全に残っており、獣脚類恐竜で鳥類に進化したものもいるマニラプトル類の中のスカンソリオプテリクス類の1種とわかりました。
特徴的なのは前足で、後ろ足より約1・3倍長く、コウモリのような膜でできた翼となっていることがわかりました。骨の構造も鳥よりもコウモリ似であることを示していました。体長は約32センチ、体重は306グラムと推定されました。化石と一緒に見つかった胃石と胃の内容物から雑食性だったとみられています。
研究グループは、翼と細長い前足持つ恐竜を意味するアムボプテリクス・ロンギブラキウムと名づけました。
コウモリのような恐竜はこれまで、中国・河北省のジュラ紀後期の約1億6000万年前の地層から見つかり、2015年、『ネイチャー』に発表されたスカンソリオプテリクス類のイ・キだけでした。