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2019年5月15日(水)

目先の利益 禍根残す

国有林野管理経営法改定案 参考人が批判

田村貴昭議員質疑

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(写真)参考人に質問する田村貴昭議員=14日、衆院農水委

 衆院農林水産委員会は14日、国有林野管理経営法改定案について参考人質疑を行い、日本共産党の田村貴昭議員が質疑に立ちました。同改定案は、民有林所有者から強権的に森林を奪い伐採する仕組みを持つ「森林経営管理法」(昨年成立)で大規模伐採を行う事業者に対して、国有林の伐採を長期間委託可能にするものです。

 信州大学の野口俊邦名誉教授は、改定案が国有林野事業の持つ公共性に対して完全に逆行しているとして、「森林も国創りも目先の利益で行っては将来に禍根を残す」と批判しました。

 一方、東京農工大大学院の土屋俊幸教授は、内閣府や官邸のトップダウンで立案されたとして「政策立案過程が唐突だ」と指摘。改定案では、国有林の管理者として経営を差配する力は林野庁の裁量の範囲内にとどまるとして、「さまざまな問題が生じる危険性がある」と指摘しました。

 田村氏は、皆伐によって森林が持つ多面的機能が失われる危険について質問。野口氏は、国民は、森林が災害防止、温暖化防止、水資源管理という公益的機能を果たすことを求めているとして「間伐・択伐はコスト的に安くはないが、国民の命や暮らしを守るために手当てをしていく必要がある」と述べました。


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