2019年5月16日(木)
担い手不足に支援を
農地バンク 紙氏質問に参考人
参院農林水産委員会で14日、農地中間管理機構法改定案に関する参考人質疑が行われ、日本共産党の紙智子議員が質問に立ちました。
紀ノ川農業協同組合(和歌山県)の宇田篤弘組合長理事は、中間管理事業が地元で受け入れられておらず、最大の課題は担い手不足の解消だと強調。耕作放棄地の再生にボランティアで参加してもらう取り組みや、地元の学生を交えて高齢者に聞き取り調査をした事例などを紹介し、農地だけでなく地域の将来を考えることが大事だとし、持続可能な環境保全型農業の発展にさまざまな工夫を凝らしていると発言しました。
紙氏は、ミカンの主要産地である和歌山県では1990年代にオレンジの自由化で産地が打撃を受け、耕作放棄地の拡大につながったと指摘し、「国の支援策はどうあるべきだと思うか」と質問。宇田氏は、農産物価格が保証され「農業の多面的機能に対する充実した支援があれば農業にチャレンジできるのではないか」と、担い手不足に向けた展望を語りました。
東京大学大学院農学生命科学研究科の安藤光義教授は、同改定案について「農地集積のカギを握る地元の取り組みを前提に制度が組み立てられず、見直しもされなかった」と批判。公益社団法人秋田県農業公社の佐藤博理事長は「これまで農協や市町村が現場で蓄積したノウハウを機構が引き継いで生かすのが大事」と述べました。