2019年5月23日(木)
参院議員歳費“自主返納”法案
党利党略のごまかし
井上氏が批判
自民、公明両党は22日、参院各派幹事長会談で、参院議員が月額7万7000円を目安に歳費を自主返納する議員歳費法改定案の要綱を提示しました。
自民党は昨年7月、参院議員の定数6増(今夏の改選分は3増)を伴う改悪公選法を強行。2016年の参院選から合区となった「鳥取・島根」「徳島・高知」の2選挙区からはみ出す自民党候補を救済するため、比例区に「特定枠」を導入するなどして定数を増やしたものです。
自公両党と無所属クラブは、この定数増による経費増に見合う額の参院議員の歳費を削減する法案をすでに提出しており、歳費削減問題をめぐり参院各会派間の協議が行われてきました。このなかで野党側から、党利党略の選挙制度との批判への糊塗(こと)策であり、衆参の歳費格差をもたらすのは憲法違反だと批判されたことから、歳費の“自主返納”を可能とする案を今回新たに提示したものです。
日本共産党の井上哲士参院幹事長はこの間の協議で、参院選挙制度の抜本改正に背を向けた「特定枠」による党利党略を糊塗する議員歳費削減には賛成できないとし、国会経費節減については選挙制度と切り分けて協議し、思想信条の自由を定めた憲法に反し巨額の税金を政党が山分けする政党助成金制度こそ廃止すべきだと主張。新たな歳費“自主返納”法案要綱に対しても、党利党略を糊塗する性格に変わりはないと批判しました。
しかし自公両党は、“自主返納”案への「多数の会派」の賛同が得られれば、すでに提出している法案を取り下げ、新たな法案を提出するとしており、今月中にも参院を通過させる構えです。