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2019年6月2日(日)

水道民営化 もうけは企業

修繕と水質は自治体の責任

岐阜でシンポ

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(写真)シンポジウムで講演する尾林弁護士=1日、岐阜市

 水道事業の民営化を促す改悪水道法が今年10月に施行されるのを前に「水道民営化を考えるシンポジウム」が1日、岐阜市内で行われました。約200人の参加者らは、水道の安全を守る各地の取り組みや民営化の問題点を交流しました。

 主催者の「命の水を考える会ぎふ」の武藤仁さんはあいさつで「とくに東海地域では静岡県浜松市、岐阜市、愛知県岡崎市、三重県と四日市市に対し、厚生労働省が民営化に引っ張っていこうと働きかけている」とのべ、岐阜市でのシンポ開催の意義を語りました。

 シンポでは民間委託の問題に詳しい尾林芳匡弁護士が記念講演しました。

 尾林氏は「設備は自治体が持ち、設備が壊れた時の修繕も自治体持ち、水質も自治体の責任。水道事業者が自治体のままで、運営でお金もうけすることだけを民間企業のものになるとしたのが昨年末に成立した『改正』水道法だ。住民にとって百害あって一利なしだ」と指摘しました。

 また、尾林氏は一部の下水処理場が民営化されている浜松市とフランスの水メジャーが交わした契約内容を紹介。運営状況のチェックを市ではなく企業自身が行うことや、市と企業のお互いの承諾がない情報は開示できないなどの秘密保持義務があるために、企業が設定した利用料金の根拠などの重要情報が非開示にされるおそれを指摘しました。

 辻谷貴文さん(全水道会館水情報センター事務局長)は「仏パリなどで水道が再公営化する中、2012年ごろに水メジャーは『これからの市場はアジア』と方針に定めた。そして13年に麻生太郎財務相が海外の会議で『日本の水道は全て民営化します』と発言し、流れが加速している」と指摘しました。

 「浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク」の池谷たか子事務局長は、2022年からの水道民営化を狙う市を住民運動で追い込んだと報告。市に結論を先送りさせた成果にふれながら「延期ではなく断念させよう」とのべました。


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