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2019年6月4日(火)

主張

天安門事件30年

声上げる主権者の人権尊重を

 民主化を求めて中国の学生や市民が集会やデモ、ハンストなどを展開したことに対し、中国共産党指導部が北京に戒厳令を敷き、天安門広場とその周辺に軍隊を投入、おびただしい数の死傷者を出した「天安門事件」からきょうで30年です。

国際基準の対応が必要

 主権者の非暴力の運動を武力弾圧し、人権を踏みにじる重大な国際事件に、日本共産党は直ちに声明を発表し、言語道断で社会主義とも無縁の暴挙を糾弾しました。この立場は、中国が事件について「反動分子による動乱」という評価を変えず、見直しを求める動きも抑え込んでいるだけに、今日的な意義をもっています。

 日本共産党は事件から9年後の1998年、中国共産党と32年ぶりに関係を正常化した際、天安門事件にも触れ、「言論による体制批判については、禁止することなく、言論で対応する」重要性を指摘。その立場は中国共産党指導部に繰り返し伝えてきました。ノーベル平和賞を受けた劉暁波氏への抑圧には、人権と自由の問題で国際社会の理解を得る対応をとるよう提起、チベット問題でも、対話での平和的解決を求めました。

 しかし、こうした人権問題は改善されず、それどころか、今も中国の党と政府は、天安門事件を「政治風波」と呼び、弾圧の謝罪を求める犠牲者の遺族や、当時の民主化運動の再評価を訴える学者らへの抑圧はもちろん、事件に関する情報さえ消していく、強権的な動きを強めています。人権保障の国際的流れに逆行した、憂慮される事態です。

 自由と人権の発展は国により、さまざまなプロセスがあり、特定モデルを外から押し付ける内政干渉は許されません。同時に人権と基本的自由は、国連憲章にもあるように、普遍的なものです。特に第2次世界大戦後、再び侵略戦争を許さず世界平和を維持するには、各国で基本的人権が尊重される体制が必要との考えが普及し、一連の国際的な取り決めがなされてきました。

 すべての人権と基本的自由を促進し保護することは今日、体制のいかんを問わず、国家の義務となっています。中国も、世界人権宣言や国連人権規約などに賛成してきました。国際的な人権基準に沿った行動が強く望まれます。

自由、人権こそ社会主義

 科学的社会主義は、未来社会の基本原理を「個人の完全で自由な発展」としています。その見地もふまえ日本共産党は、憲法の「平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」「基本的人権を制限・抑圧するあらゆる企てを排除」すると綱領で明記し、広範な市民と運動を進めています。日本での社会主義の道も、中国などと異なる道を進むと明確にしてきました。

 党綱領は「民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」と述べています。

 こうした綱領を持ち、戦前は、専制支配の打倒と主権在民、国民の自由と人権をかちとるために命をかけてたたかった歴史を持つ党として、日本共産党は、基本的人権と自由の擁護・発展に全力をあげる決意です。


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