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2019年6月6日(木)

国有林の現場無視

管理経営法改定案が成立

紙氏が反対

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(写真)反対討論する紙智子議員=5日、参院本会議

 大規模伐採を行う民間事業者に国有林の伐採を長期間委託できるようにする国有林野管理経営法改定案が5日の参院本会議で、自民党、公明党、国民民主党、維新の会の賛成で可決・成立しました。日本共産党、立憲民主党は反対。日本共産党の紙智子議員が反対討論に立ちました。

 紙氏は、改定案が官邸主導でつくられたことをあげ、「国有林の現場と役割を無視する強権的な手法を認めることはできない」と指摘。また、経営規模を拡大する林業経営者に、50年にもおよぶ樹木採取権と樹木採取区を新たに与え、排他的独占的に経営することを認めているとして「国民の共有財産である国有林を、一部の林業経営者の利潤追求の道具にしてはならない」と述べました。

 さらに、紙氏は、樹木採取権を取得した林業経営者に伐採後の植栽を義務付けていない点について、「国有林が持っている公益的機能が損なわれ、荒廃しかねない」と指摘。大規模な林業経営者が大ロットで取引量を増やせば、中小の地元事業者が市場取引で不利になり、経営困難に陥るとして「地域の振興に役立てるという国有林の役割が果たせなくなる」と批判しました。

 紙氏は、国有林からの供給量の急増で、木材価格が暴落する危険にも言及。「いま必要なのは、安倍政権の林業『成長産業化』路線から、持続可能な森林・林業への転換だ」と訴えました。


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