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2019年6月7日(金)

2019参院選 希望を語ろう

「市場まかせ」の農政 変えよう

小規模・家族経営が世界の流れ

共産党「自給率50%早期に」

 国民に安心・安全な食料を供給するとともに、国土・環境を守る役割を担っている農業。参院選では、高齢化や担い手の減少、際限のない農産物の輸入自由化などの困難を乗り越え、どのように発展の道を切り開くのかが問われています。(内田達朗)


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(写真)国際フォーラムで「農民の権利宣言」「家族農業の10年」の実行への決意を語る各組織の代表者ら=5月25日、東京都内

 「家族農業を支えることが持続可能な世界に不可欠だ」「日本と世界を変える運動のスタートに」「農民だけでなく、幅広い市民との共同を広げていく」―。農民運動全国連合会(農民連)などが5月25日に東京都内で開いた国際フォーラムでは、国連「家族農業の10年」、「農民と農村で働く人々の権利についての宣言」(農民の権利宣言)の実践を広げる決意が各国の参加者から語られました。

 世界では、これまで主流だった大規模化・企業化、化学肥料・農薬の大量使用から、小規模・家族農業に光を当て、手厚い支援を行うことで、飢餓や貧困の克服、持続可能な発展、環境の保全をはかる流れに転換が進んでいます。

 国連は、今年から2028年までを「家族農業の10年」と定め、昨年12月には、総会で「農民の権利宣言」を採択しました。

際限ない自由化

 この世界の流れに逆行しているのが、安倍政権です。

 昨年12月に発効した環太平洋連携協定(TPP)では、牛肉の関税38・5%を15年後には9%にまで削減するなど、重要品目の多くで関税を削減・撤廃。今年2月に発効した日欧EPA(経済連携協定)では、TPPでは除外されていたソフト系チーズやワインの関税撤廃に応じました。

 日米FTA(自由貿易協定)をめぐっては、トランプ米大統領が「8月に大きな発表ができる」と明かすなど際限のない自由化に突き進んでいます。

 国内では、財界いいなりに農地の8割を「意欲ある担い手」に集中する政策、コメの生産調整に協力する農家への「戸別所得補償」を全廃、主要農産物種子法廃止の強行など、家族農家を支えてきた基盤を破壊してきました。

 「農民と農村で働く人々の権利についての宣言」についても、国連総会で棄権し、背を向けました。

 農民連の笹渡義夫会長は「安倍政権は、TPPなど異次元の自由化を進め、農家を支えるあらゆる制度を壊してきました。これまでの自民党政権にない、異次元・異質な悪政です」と批判します。

 日本共産党は、「市場まかせ」の農政を転換し、すべての農業者を支援し、農林漁業を再建して食料自給率を早期に50%に引き上げることを国づくりの根幹にすえることを掲げています。価格保障・所得補償をはじめ多様な担い手の支援、食料主権を保障する貿易ルールの確立を訴えています。元岡山大学大学院教授の小松泰信さんは「農業を基幹産業と位置付ける共産党に伸びてほしい」とエールを送っています。

農業を守る共同

 安倍政権の農業破壊の政治に、これまでにない共同と反撃が広がっています。

 TPPや日欧EPAには、農民、市民、消費者団体、労組が「TPPプラスを許さない!全国共同行動」を結成、集会や議員会館前での抗議行動などを展開。日米FTA交渉にも抗議の声をあげています。

 JCFU全国沿岸漁民連絡協議会が結成され、漁民の生活を守り、沿岸漁業を発展させ、水産物の安定供給を求める運動が広がっています。

 国会内では、日本共産党を含む野党各党が主要作物種子法の復活法案や牛・豚の経営安定対策の法案を共同提出するなど野党の共闘が進んでいます。

 農民連の笹渡会長は言います。「安倍政権の農政・漁業政策に対し、農林漁業関係者のなかには、怒りの声が広がっています。“代わりの受け皿はあるのか”という声もあるなか、市民連合と野党が『共通政策』で合意しました。この旗を掲げて、この力で安倍官邸農政を変えることを多くの農業者に示し、草の根でたたかっていきたい」


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