2019年6月23日(日)
森羅万象 質問制限せず
新聞労連シンポ 武村元官房長官語る
新聞労連は22日午後、東京都内でシンポジウム「官邸会見の役割を考える」を開きました。
安倍内閣が、菅義偉官房長官会見における望月衣塑子東京新聞記者の質問を妨害、政府見解に沿わない質問を「事実誤認」として、官邸記者クラブに「問題意識の共有」を求める文書を出したことに新聞労連が抗議した経過を南彰委員長が報告しました。
細川内閣で官房長官を務めた武村正義氏が登壇し講演しました。同氏は官房長官の役割を「内閣の広報官が最も大きな仕事」とし、その会見は「森羅万象について自分の方から制限せず、あらゆる質問を受けるのが役割だと思っていた」とのべました。さらに菅官房長官が加計学園問題で「総理のご意向」と書かれた政府の内部文書を「怪文書」と切り捨てたことに関連し、「(私は)あるものを隠す発想は取らなかった。会見の場でうそをつくことを繰り返したのでは政府は基本的に信頼を失ってしまう。あってはならないこと」と批判しました。
新聞労連新聞研究部が官邸記者クラブ員(19社対象、現役か過去2年以内に所属)を対象に実施したウェブアンケートが公表されました(有効回答33人)。
「事前通告のない質問を記者会見でして、官邸側から文句を言われた」「夜回りなどのオフレコ取材で官邸側から特定の記者だけを排除するよう言われた」がいずれも7人いました。
結果を受け、東京大学大学院情報学環教授の林香里さん、毎日新聞専門編集委員の与良正男さん、評論家の荻上チキさんらがパネルディスカッションしました。