2019年7月7日(日)
安倍首相、税収最高誇るが 増収の中心は消費税
13年度から18年度 伸び率は63.3%
安倍晋三首相は4日に始まった参院選挙の第一声で「経済を強くすれば税収だって増えるんです。税収は今年、過去最高になった」と誇りました。2018年度の国税収入は過去最高を記録しています。ただし増えたのは消費税でした。これは国民からむしり取った税収です。一方、歴代の自民党政権は、大企業と富裕層に減税をしてきました。国民から収奪して「過去最高」と誇る安倍政権にサヨナラの審判を下すときです。(清水渡)
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18年度の国税収入は60兆3564億円でした。第2次安倍政権が発足した13年度(46兆9529億円)から13兆円以上増えています。しかし、増収の中心は消費税です。
税収の3割近く
所得税、法人税、消費税の税目ごとに13年度から18年度への伸び率を見ると、所得税が28・1%増、法人税が17・4%増にとどまるのに対し、消費税は63・3%増と極端に増えています。14年度に消費税が増税されたからです。その結果、国税収入に占める消費税の割合は13年度の23・1%から18年度は29・3%と3割に迫っています。
これまでで最も国税収入が多かった1990年度と比べると、税収の「消費税頼み」がさらに顕著です。1990年度の国税収入は60兆1059億円でした。2018年度と比較した増減の内訳をみると、消費税収が13兆円増え、4倍近くに膨れ上がっています。ところが、所得税も法人税も6兆円以上の減収でした。
法人税引き下げ
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所得税、法人税の減収の要因の一つが税率の引き下げです。1990年度当時の所得税の最高税率は50%でした。2018年度は45%まで下がっています。同じ期間に法人税も37・5%から23・2%へと10ポイント以上も下がっています。一方、消費税率は同じ期間に3%から8%に増税されました。
安倍政権が14年4月に8%への消費税率引き上げを強行して以降、個人消費が冷え込み、日本経済は停滞しています。日銀短観も2期連続で落ち込んでいます。消費者心理を示す消費者態度指数は9カ月連続の悪化です。このような状況で10月に10%への消費税率引き上げを行うことは「愚の骨頂」です。
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