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2019年7月14日(日)

自民選挙を賭博業が支援

パチンコ族比例候補を擁立

モラル底抜け ギャンブル規制を敵視

 自民党は21日投票の参院選で、パチンコ・パチスロ業界が支援する初の“パチンコ族”候補を比例代表に擁立しています。限りなく違法に近い出玉の換金を行うグレー(灰色)産業にまで依存する安倍自民党は、もう「底抜け」です。(竹腰将弘)


 問題の候補者は尾立源幸氏。参院大阪選挙区で民主党から2期連続当選し財務政務官などを務めましたが、2016年に落選。今回は自民党(二階派)にくら替えし、比例で公認されています。

 「大衆娯楽である遊技産業を守ります」というスローガンを選挙特設サイトにかかげ、パチンコ・パチスロ業界の代弁者として規制の見直しなどに取り組む決意をのべています。

 パチンコ・パチスロは風俗営業適正化法で国家公安委員会・警察庁の監督下に置かれています。「賭博ではなく遊技」という建前で、出玉景品を現金に換えることが容認され、日本社会にギャンブル被害を広げています。

 ギャンブル依存症問題が社会的な注目を集めるなか、警察庁がパチンコの射幸性(ギャンブル性)を抑えるという名目で出玉をこれまでの3分の2に抑える新基準の導入や、パチンコ店内に設置されている銀行ATM(現金自動預払機)の撤去を求めるなどの規制をすすめていますが、業界側は「客足が遠のく」として、これに抵抗しています。

 一般社団法人ぱちんこ広告協議会が尾立氏を招いた緊急座談会の様子が5日からネット公開されています。尾立氏は完全に業界の立場で、ギャンブル依存症問題を過小評価し、規制の緩和を求める発言を繰り返しています。(別項参照)

 もともと反社会的なイメージが強いパチンコ業界は、これまで選挙に直接関与してきませんでした。今回は自民党の側からパチンコ業界の主要団体に支持を要請し、これを了承した業界側が3月に「全日本遊技産業政治連盟」「おだち源幸遊技産業後援会」という二つの受け皿団体をつくり、業界が支援する選挙態勢がつくられました。

 5月には業界関係者700人が集まった決起集会が都内で開かれました。自民党の二階俊博幹事長はここで「出すだけだったらだれでも出す。当選させなければ意味がないんです。お集まりいただいたみなさんの名誉がかかっているんです」とはっぱをかけたといいます。(『アミューズメントジャパン』5月27日号)

賭博あおる自民候補

「業界守るのが私の立場」

 尾立候補の発言(ぱちんこ広告協議会の座談会などから)

 「二階幹事長のお呼びかけで遊技産業の皆様のご支援をいただき今回この選挙に挑ませていただいている」

 「この業界を絶対守らなければならないというのが私の立場」

 「ホールや(パチンコ・パチスロ機器)メーカー、販売会社で働いている人は30万人。家族を入れれば100万人近くがこの業界で頑張っている」

 「出玉率が3分の2に引き下げられることでファンに楽しんでもらえるのか疑問。国会議員になってしっかり質問する」

 「536万人がギャンブル依存症というのは違う。それを根拠に新基準がつくられた。再検証して直していく」

 「『尾立は楽しい機械をつくる』という思いで、投票所に足を運んでほしい」


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