2019年7月27日(土)
白書を読む
「少子化社会対策白書」
低い家族関係社会支出
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内閣府の「少子化社会対策白書」2019年版によると、1990年代に合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの推計)が1・5~1・6台まで低下したフランスとスウェーデンでは、2000年代後半から回復傾向を示し、17年はそれぞれ1・90、1・78となりました。
一方、日本の18年の出生数は過去最低の91万8397人。3年連続で100万人を割りました。出生率も1・42と3年連続で低下しました。
フランスやスウェーデンの出生率回復について「白書」は、「(家庭への)経済的支援と併せ、保育や育児休業制度といった『両立支援』の施策が進められてきた」と分析しています。
児童手当や出産手当金、就学援助など「家族関係社会支出」が各国のGDP(国内総生産)に占める割合は、スウェーデン3・54%、フランス2・96%に対し、日本は1・29%にすぎません。
日本では10年度に児童手当(当時は「子ども手当」)の対象が小学生から中学生まで拡大したものの、12年に所得制限を導入。安倍晋三政権はさらに、共働き世帯を標的に所得制限を厳しくし、支給対象を狭めようとしています。所得制限を超える家庭への「特例給付」(月5千円)の廃止も視野に入れています。
日本共産党は、児童手当の拡充と支給対象の18歳までの延長を目指しています。