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2019年7月27日(土)

副業の労働時間通算せず

厚労省検討会 長時間労働を助長

 労働者の副業や兼業をする際の労働時間について、厚生労働省の検討会は25日、「複数職場の労働時間は通算せず、事業所ごとに管理する」ことを盛り込んだ報告書をまとめました。

 長時間労働を防ぐための労働時間の「通算規定」が緩和され、長時間労働を助長する危険な内容です。安倍内閣が骨太方針で決定した「兼業・副業の推進」を受けて、規制を骨抜きにするものです。

 労働基準法では、複数の職場で働く場合の労働時間は通算するとしています。労働時間は指針で、使用者が客観的な方法で把握するよう求めています。

 報告書案では、「使用者の時間管理がしやすくなる」などとして、労働時間を通算せず、それぞれの企業で上限規制にもとづき労働時間を管理すればよいとしました。

 労働時間短縮などの「健康管理措置」を講ずるとしていますが、事後的なもので実効性の乏しいものです。

 また、通算する場合でも、本業と副業の企業ごとに1カ月単位など長い期間で上限を決めて、「労働者の自己申告」をもとに時間内に収めればよいとする選択肢も示しました。自主申告を導入することで、通算管理を骨抜きにするものです。

 残業代については、(1)労働者の自己申告を前提に所定労働時間だけを通算して支払う(2)通算せずに事業主ごとに支払う―の2案を示しました。いずれも労働時間の把握や歯止め効果が後退し、残業代不払いや長時間労働を生む危険な内容です。

 報告書を受けて、労使の代表が参加する労働政策審議会で具体的な議論が行われることになります。


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