2019年7月30日(火)
主張
第51回保育合研
保育・子育ての希望を語ろう
「つながろう 豊かな保育・子育てのために ひろげよう 平和へのねがい」をテーマに掲げ、「第51回全国保育団体合同研究集会(保育合研)」が8月3~5日、名古屋市で開催されます。
父母と保育士が手を携え
保育合研は、保育士をはじめとする保育者、保護者、研究者など保育にかかわる人たちが、ともに保育や子育てについて学び考え、よりよい保育を子どもたちにと、さまざまな実践と経験を交流する全国規模の集会です。保育制度改善を実現する運動や、保育実践を進める上で大きな役割を果たしてきました。
安倍晋三政権のもと、保育制度が複雑に改変され、父母をめぐる労働条件の悪化、貧困化のもと子育ての困難が拡大しています。地域の子育て支援や児童虐待からのセーフティーネット(安全網)として、保育所への社会的期待や役割が増しています。
そのようななかで多くの保育者は「いい保育がしたい」「子どもの思いを大切にしたい」と思いながら、時間に追われ、日々頑張っています。保育者の賃金や処遇を抜本的に改善し、長時間労働をなくして普通に働いて暮らせる労働条件の保障はまったなしです。
父母たちは、入所できる保育所を必死に探しますが、今年も都市部では希望者の3人に1人が入所できていません。子どもの発達を保障し、安心して預けられる公的保育所の増設や、保育の環境や条件に地域や施設による格差のない“子どもに最善のものを保障する”保育をどう実現していくか、保護者、保育関係者での運動が始まっています。
今年の保育合研は、保育士を目指す学生たちが「保育の仕事って、本当はこんなに楽しいんだということを実感したい」と成功に向けた準備に力を発揮しています。
保護者も準備にたずさわり、保育士と語り合うなか、「子育てや子どもの成長・発達について学ぶことができる合研は父母にとっても魅力的」と、父母の参加を広げる取り組みが広がっています。
安倍政権は、保育の基準緩和や市場化を促進し、現場を疲弊させています。待機児童問題、保育士不足など、保育問題は大きな政治・社会問題になり、4月の統一地方選、7月の参院選でも大きな焦点になりました。
「いい保育・子育てとは何か」「子どもの思いをどう実現していくのか」。厳しい現実に立ち向かい、全国の仲間と実践や思いを共有し力を合わせることで、困難な現状も、保育制度も変えていく確かな力になることでしょう。
改憲を許さない声広げ
「ポストの数ほど保育所を」の運動が大きく広がるなか、日米安保条約に反対し、再び戦争と軍国主義の道を子どもたちに歩ませてはならないと立ち上がった保育関係団体と保育者、父母の手によって、1969年に第1回保育合研が開かれました。
それから50年、安倍政権による改憲策動の危険性がいっそう強まっています。
半世紀の歴史を積み重ね、憲法を守り、子どもたちに平和な未来と豊かな保育をと掲げ続け、大きな力を発揮してきた保育合研が、その歴史に立ち、平和と民主主義を守る新たな一歩を踏み出すことを期待します。