2019年8月3日(土)
日韓関係 打開の道は
話し合いで外交的解決を
日本共産党の提案と働きかけ
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日本政府が輸出管理の手続き簡略化の優遇措置を受けられる対象国から韓国を除外する政令改定を閣議決定したことによって、日韓関係への深刻かつ重大な影響が懸念されています。日本共産党の志位和夫委員長は2日、安倍政権に対し閣議決定の撤回とともに、韓国政府との冷静な話し合いにより、事態の解決をはかることを強く求めました。この立場は、発端となった「徴用工」問題から日本共産党の一貫した立場です。
政経分離反する
日韓の経済関係の悪化をもたらす今回の事態は、日本政府が7月4日に韓国を対象に半導体材料の輸出管理を強化する措置を発動したことで、大きな問題に発展。参院選最中に行われた民放番組の党首討論(7月7日)で安倍晋三首相は「徴用工の問題で、国と国との約束(1965年の日韓請求権協定)を守れない国であれば(安全保障上の)貿易管理をちゃんと守れないだろうと思うのは当然だ」と「徴用工」問題の解決の手段として輸出規制をあげました。
これに対し日本共産党の志位和夫委員長は「政治的な紛争の解決に貿易問題を使うのは、政経分離の原理に反する『禁じ手』だ」と指摘。「政治上の紛争解決は外交的な話し合いで解決すべきだ」と批判しました。
さらに、日本政府が対韓輸出規制拡大の閣議決定を行うとの報道に接し、志位氏は7月31日、安倍首相に対し、閣議決定を見送り、事態の外交的解決をはかるよう緊急に申し入れました。穀田恵二国対委員長(衆院議員)も同日、来日した韓国国会議員との会合で、「いま重要なことは、両国政府が誠実に話し合うことだ」と発言。議員レベルでも両国政府が対話をもつよう働きかけていくことが重要だと呼びかけました。
一致点を大事に
今回の問題の背景にある「徴用工」問題でも、日本共産党は冷静な対話による解決を求めてきました。
韓国の大法院(最高裁)が2018年10月30日、元徴用工の植民地支配下での強制労働に対する日本企業の賠償責任を認める判決を出したことを受けて志位氏は同年11月1日に記者会見し、「徴用工問題の公正な解決を求める――韓国の最高裁判決について」と題する見解を発表しました。
見解は、日韓請求権協定で国と国との請求権が放棄されていたとしても、個人としての被害者の請求権は残っているということは、日韓両国の政府と最高裁が認めていると指摘。この一致点を大事にしてよく話し合って被害者の方々の名誉・尊厳を回復することで解決するよう提起しました。
国会では穀田氏が同月、「徴用工」問題で質問に立ち、河野太郎外相は個人の請求権が消えていないと認めざるをえませんでした。
昨年12月13、14両日に日韓議員連盟代表団が訪韓し、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と会談しましたが、志位氏も参加して党の見解を踏まえ発言。自民党の額賀福志郎議連会長も志位氏の発言を受け、「個人の請求権は残っている」と述べ、文大統領も「個人の請求権は消滅していないということは重要なことだ。この立場に立てば、円満な解決がはかられるのではないか」と応じました。
日韓両国政府はこの一致点を大切にして、元徴用工・被害者の名誉と尊厳の回復にむけた前向きの解決が得られるよう冷静に話し合うべきです。
韓国に対する輸出規制により、すでに民間交流に影響が及び、日本の輸出企業にも打撃になっていると報じられています。韓国を優遇対象国から除外することで両国間の国民レベルでの感情が悪化し、経済関係もいよいよ深刻になる関係悪化の悪循環を引き起こしてはなりません。現状を打開するためには、日本共産党が一貫して求めてきた冷静な外交的解決しかありません。