2019年8月6日(火)
核兵器廃絶へ歴史的転機に
国際会議が宣言採択
原水爆禁止世界大会 広島大会始まる
広島市内で開かれていた原水爆禁止2019年世界大会・国際会議は5日、被爆75年の2020年を「核兵器のない平和で公正な世界への歴史的転機とするために被爆者とともに立ち上がろう」と訴える国際会議宣言を採択して閉幕しました。(関連記事)
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宣言は、核保有5カ国は「核兵器禁止条約に強く反対し、核兵器廃絶の国際的流れに敵対している」と批判。
核兵器のない世界を求める声は国際政治でも市民の間でも圧倒的多数だと述べ、「核兵器固執勢力と廃絶をめざす勢力の対立こそ、今日の核軍縮をめぐる世界の構図である」と明らかにしました。
核兵器禁止条約が採択されたことは、「核保有国に対する大きな政治的、道義的圧力となっている」と指摘。核保有国が核不拡散条約(NPT)の核軍縮・撤廃交渉の義務(第6条)を果たすよう、「いまこそ、世界の反核運動と市民社会が、その役割を発揮すべきである」と呼びかけました。
日本政府に対して「アメリカの『核の傘』から離脱し、禁止条約を支持し、参加すべきである」と求めました。
被爆の実相をはじめ核兵器の非人道性を訴えて「核抑止力」論を打ち破り、「禁止条約の署名と批准を求める多数派をつくりあげよう」と訴えています。
具体的行動として、「ヒバクシャ国際署名」の飛躍や、原水爆禁止世界大会・ニューヨークをはじめ国際共同行動の成功、さまざまな社会運動との連帯を呼びかけました。
冨田宏治・起草委員長(関西学院大学教授)は「来年を核兵器のない世界への転機とするため世界的な行動に立ち上がり、市民社会と諸国政府の共同の力を発揮しよう」と強調しました。
同日夕から原水爆禁止世界大会・広島が広島市内で始まり、市民と海外代表の交流集会が開かれました。