2019年8月7日(水)
平和記念式典
禁止条約発効求める
「平和宣言」 各国政府に広島市長
首相は条約ふれず
広島市の平和記念式典は、平和記念公園で行われ、被爆者や遺族、市民、内外の政府・各党関係者ら5万人が参列しました。
松井一実市長が「平和宣言」(全文)をおこない、各国政府に対し「核兵器のない世界の一里塚となる核兵器禁止条約の発効を求める市民社会の思いに応えていただきたい」と訴え。日本政府に対して「唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかり受けとめていただきたい」と述べました。
国連のアントニオ・グテレス事務総長のメッセージを中満泉・軍縮担当上級代表が代読しました。事務総長は、「国際安全保障環境の悪化を目のあたりにして、被爆者の世界中に広めた重要なメッセージを思い出さなくてはいけない」と強調。「核兵器の使用を防ぐ唯一の確実な保証は核兵器の完全な廃絶である」と求めています。
安倍晋三首相があいさつし、「核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の努力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取り組みを主導していく決意です」と従来の立場を繰り返し、核兵器禁止条約にはいっさい言及しませんでした。
式典では、74年前の8時15分の原爆投下時刻に黙とう。市内の小学生2人が「平和への誓い」を読み上げると拍手が起きました。
この1年間で亡くなった被爆者5068人の名簿が奉納され、犠牲者は31万9186人となりました。