2019年8月8日(木)
原水爆禁止世界大会・長崎開会総会
政府代表2氏の発言(要旨)
7日、長崎市内で開かれた原水爆禁止2019年世界大会・長崎の開会総会では、政府代表として、オーストリア欧州統合外務省のガルホーファー公使、メキシコのメルバ・プリーア駐日大使、ベネズエラのセイコウ・イシカワ駐日大使が発言しました。そのうちプリーア、イシカワ両氏の発言(要旨)を紹介します。
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核兵器の「安定」 危険
駐日メキシコ大使 メルバ・プリーアさん
国連の創設以来、わが国は人類を核兵器から解放する必要性を唱えてきました。わが国は、世界初の非核地帯に属し、さらに四つの非核地帯の創設に貢献してきたことを誇りに思います。
わが国は核兵器禁止条約の採択を歓迎しています。核兵器禁止条約は核不拡散条約(NPT)を強化するものです。どちらの条約も互いに補完し合い、核軍縮と不拡散体制を強化します。
この条約は、ほかの国際的な法的文書とともに、核軍縮への努力を強める重要なものとなるでしょう。
私たちの歴史的・集団的責任とは、広島と長崎に加えられたような攻撃が二度と起きないようにすることです。そのために、メキシコは国際法、国際協力、紛争の平和的解決に基づき、より安全な世界をつくるために引き続き奮闘します。
軍備とりわけ核兵器が一定の「安定」をもたらすという、消極的で誤った危険な考え方が完全になくなるよう努力を続けます。
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完全廃絶は絶対的保証
駐日ベネズエラ大使 セイコウ・イシカワさん
120カ国で構成され、わが国が議長国を務める非同盟運動からのメッセージをお送りします。
非同盟運動は創設以来、核軍備撤廃の先頭に立ち、それを最優先の課題に位置付けています。とりわけ核兵器の存在と、その使用と威嚇を人類に対する脅威と考え、核兵器の全面廃絶という目標達成にむけて努力してきました。
ベネズエラで7月に開催された非同盟調整ビューロー閣僚会合は、国連の会議が採択した核兵器禁止条約に注目しました。この条約が発効され、核兵器の完全廃絶という目標のさらなる促進に寄与することを期待します。
米国の「核態勢見直し」を含め、核兵器国の軍事ドクトリンにある核兵器の近代化と新型核兵器の開発は、核軍縮の法的義務と軍事・安全保障政策における核兵器の役割に違反するものです。
核軍縮と核不拡散のあらゆる面での進展は、国際の平和と安全を強化するために不可欠です。核兵器の完全廃絶は核兵器の使用・威嚇を防ぐ絶対的保証です。