2019年8月8日(木)
詐欺容疑者あっせんでパー券 秋元内閣府副大臣
安倍政権肝いり 企業主導型保育巡り
日曜版で詳報
安倍政権肝いりの企業主導型保育事業をめぐり、国の助成金詐欺で逮捕された容疑者と、同事業を所管する内閣府の副大臣・秋元司衆院議員(自民党)との深い関係が、赤旗日曜版編集部の取材で判明しました。秋元氏の国会での説明とも矛盾しており、虚偽答弁の疑いも浮上しています。(日曜版8月4日号で詳報)
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国会で虚偽答弁か
東京地検特捜部が逮捕(7月23日)したのは、福岡市のコンサルタント会社「WINカンパニー」社長・川崎大資容疑者(51)=別の融資詐欺で起訴=です。内閣府が事業委託した公益財団法人「児童育成協会」に虚偽の工事請負契約書を提出するなどして助成金2件計約2億円をだまし取ったとされます。川崎容疑者は2009年には脱税、13年に競売妨害で有罪判決を受けています。
川崎容疑者は、秋元氏の古くからの有力支援者。04年から06年にかけて秋元氏への献金があります。
川崎容疑者との関係を国会で問われた秋元氏は、「少なくとも5、6年は(会って)ない」(5月23日、衆院厚生労働委)と答えています。
ところが編集部の取材に複数の関係者が秋元氏の答弁と異なる証言をしました。
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―17年6月の秋元議員のパーティーに川崎容疑者と参加。容疑者から「保育の方々です」と直接、秋元議員を紹介してもらった。
―3年ぐらい前、当社代表が川崎容疑者の紹介で秋元議員の勉強会に3回参加。容疑者と一緒に議員と話した。
編集部の調べで、18年2月、川崎容疑者が助成金申請を代行した保育園の開園行事で、秋元氏からの祝電が披露(日本印刷新聞18年3月18日付)されていたこともわかりました。同園関係者は「うちが議員に祝電を頼むことはない。川崎容疑者らが議員に依頼して用意したものだ」と証言しています。
企業主導型保育の制度開始は16年4月。それ以降に秋元氏と川崎容疑者が会っていたとなると、秋元氏が国会で虚偽答弁したことになります。
編集部の取材に複数の関係者が、川崎容疑者のあっせんで秋元議員のパーティー券を購入したと証言しています。川崎容疑者が逮捕されたあと、秋元議員の事務所から連絡が来たとの証言もあります。
「『パーティー券代を返金したい』と連絡があった。川崎容疑者のあっせんで購入した企業だと事務所側が承知だったから返金の連絡がきたのだろう」(関係者)
事業を所管する内閣府の副大臣が助成金詐欺の容疑者に自らのパーティー券あっせんまでさせていたとすれば重大です。
秋元事務所は編集部の取材に回答しませんでした。