2019年8月10日(土)
核兵器禁止条約 批准を
長崎被爆者5団体代表 首相に求める
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長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会など被爆者5団体の代表は9日、長崎入りした安倍晋三首相と面談し、代表して長崎原爆被災者協議会の田中重光会長が要望書を手渡しました。
田中さんは手渡す際、日本被団協発行の『原爆と人間』パンフにある「焼き場に立つ少年」などの写真を見せながら、「原爆資料館を訪問してください。この10年間首相、閣僚が来ていません。感じて、考えてください」と迫りました。
要望書は、「核兵器廃絶の機運が高まっている今こそ、日本政府は、核兵器禁止条約に署名・批准すること、多くの国々に条約参加をよびかけることが被爆国としての責務」「核保有国をはじめ多くの国々が核兵器禁止条約に参加し、早期発効を実現する必要があります。世界の指導者たちは、広島だけでなく長崎も訪問し被爆者の声を聞いてください」などと求めています。
原爆被害への国家補償の実現や被爆体験者に対する制度の抜本的改善など被爆者にとって緊急な要求項目の実現を求めています。
安倍首相は、「核廃絶に努力を続ける」などとあらかじめ用意された答弁を読み上げるだけでした。原爆資料館訪問にも言及しなかったため、田中さんは終わりに握手を求めてきた安倍首相に「(資料館訪問は)宿題ですよ」と重ねて求めました。
首相との面談後、田中さんは、「『被爆者に寄り添う』というなら、資料館を訪問するなど行動で示してほしい」と話しました。