2019年8月16日(金)
「徴用工問題解決を」雨のソウル
高齢の被害者ら行進
日本から参加者 連帯のあいさつ
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【ソウル=栗原千鶴】日本の植民地からの解放を祝う光復節を迎えた韓国のソウル市内で15日、市民団体が、徴用工被害者問題の解決に向けて国際平和行進を行い、「日本政府は被害者に謝罪せよ」と訴えました。高齢となった被害者も降りしきる雨のなか参加し、市庁前広場から日本大使館前まで行進しました。
昨年10月に韓国の最高裁で日本企業の賠償判決を勝ち取った原告の李春植(イ・チュンシク)さん(95)は「集まってくださってありがとう」と語りました。参加者は「ハラボジ(おじいさん)ありがとう」との声援を送りました。
日本の侵略戦争時に名古屋市の軍事工場で働かされるなどした女子勤労挺身(ていしん)隊の被害者、梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(90)は「学校に行けるとだまされて日本に連れていかれ、苦しい労働ばかりした。団結して安倍首相を糾弾しましょう」と述べました。
主催した強制動員共同行動は、最高裁判決を履行するよう日本政府に求める署名を7月から1万6000人分集めました。
行進前に行われた集会では、日本から参加した日本強制動員共同行動の矢野秀喜事務局長と、全労連の小田川義和議長が連帯のあいさつを行いました。小田川氏は「日本政府の姿勢は、侵略戦争と植民地支配を正当化する誤った歴史認識があるからだ」と指摘。矢野氏は「日本の政治状況を一日もはやく打開したい。諦めることなくたたかってきた被害者に思いを寄せて、最後までともにたたかう」と述べました。