2019年8月27日(火)
日米首脳が貿易基本合意
トランプ氏「莫大な額の取引」
【ビアリッツ(仏南西部)=桑野白馬】安倍晋三首相は25日(日本時間同日深夜)、フランス南西部のビアリッツで米国のトランプ大統領と会談し、交渉中の日米貿易協定について基本合意に達し、9月末の国連総会に合わせて開く日米首脳会談で署名を目指すと表明しました。
安倍首相はトランプ氏の要請を受け、米国産トウモロコシを購入する方針を表明。トランプ氏が「参院選後に大きな数字が出る」と述べた取引の一部が明らかになった形です。米国の自動車本体の関税撤廃は見送られることになりました。
両首脳は会談を行った約3時間後、日米貿易協定の基本合意に達したと突然発表。共同記者発表が急きょ設定され、首相同行記者が不在で、大統領同行記者しかいない中で実施されました。
首脳会談後、茂木敏充経済再生担当相が貿易交渉に関する結果を日本側記者団に説明する段取りでした。しかし、米側が「良いやりとりだったので共同発表をやりたい」と提案。米側のペースで進んでいたことがうかがえます。
トランプ氏は共同記者発表で「農業、電子商取引やその他多くのものを含んだ莫大(ばくだい)な額の取引だ」と強調。米中貿易摩擦で生じた米国産の余剰トウモロコシを「(日本が)すべて買い取るだろう」と述べ「首相と日本国民に感謝したい」と述べました。
首相は「両国経済にとって大きなプラスになる」と強調。トウモロコシの購入については、日本の農産物が害虫被害にあっているとして「相当量の農産物を購入する必要がある」と釈明しました。
外務省によれば、民間企業が9月以降、米国産トウモロコシの輸入を前倒しします。追加輸入は飼料用250万トンとなる見通しで、年間輸入量の3カ月分に当たります。