2019年9月8日(日)
怒 消費税10% 私はあきらめない
なんで弱い者いじめる
神奈川・厚木民商 那須野章さん(67)
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「消費税も憲法も全部自分の事だと分かってほしい。やってダメなら仕方がない。何もしないで結果を待っていてもダメ」―。神奈川県「厚木民主商工会」常任理事の那須野章さん(67)は、そう決意を固めています。岩手県出身。19歳で上京。大工の一人親方です。
体を悪くし仕事を休んでいます。月の収入は国民年金5万円だけです。「夢」のある年金生活とは程遠く、蓄えを取り崩す毎月です。仕事をしていない無収入の不安に体への不安が加わり「消費税の10円、20円がズシリと響いてくる」。
那須野さんは昨年10~11月中旬、消費税増税反対署名を120人分集めました。毎日、署名用紙を携帯。近所では夕方の水まきをする時間帯に回ります。庭で掃除をしている人、自転車に乗っている女性、見ず知らずの人にパンフを見せながら声をかけました。なかには自民党支持者だと分かっている人もいます。
主な相手は話が合いやすい60歳以上の年長者。秘訣(ひけつ)は「構えないこと。構えると最初にかける言葉が難しくなる。通りすがりの人の方が知らないだけに声をかけやすい」といいます。
近所の古い商店街(約40軒)も軒並み訪問しました。酒店、ペットのお店…ほとんどの店が署名してくれました。理髪店や飲食店では「(増税は)もう決まっているんでしょう」といわれ、「過去2回延期させてきた。今度も皆が頑張れば必ずストップできる」と説得。パチンコ店の駐車場にいた青年にも「飛び込み」で訴え、署名を書いてもらいました。
「安倍首相は、なんで弱いものをいじめるのか。食べるだけでやっとの人から税金を取らなくても。余裕のある人から取ってほしい。たった2%のことでも仕事ができなくなったら、一生少ない年金の中から払っていかないといけない。自分の利益など度外視して、必死に署名を集めていきたい」と話します。(遠藤寿人)
安倍政権は10月1日から消費税を10%にしようとしています。増税に対する市井の人びとの怒りをシリーズで伝えます。