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2019年9月14日(土)

漁業者の開門請求権認める

最高裁判決 諫早湾訴訟 高裁に差し戻し

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(写真)「農漁共存の和解を」の垂れ幕を掲げる漁業者(手前左から2人目)。右端は、漁業者側弁護団の馬奈木昭雄団長=13日、最高裁正門前

 長崎県の国営諫早湾干拓事業をめぐり、潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決(2010年)を強制しないよう国が求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は13日、国側の訴えを認めて「開門しない」とした二審の福岡高裁判決を破棄し、審理を同高裁に差し戻しました。(関連記事)

 最高裁は、確定判決の時点の漁業者の共同漁業権が免許期間の経過で消滅し、開門を求める権利も失われたとした二審判決について「是認することができない」との立場を明確にしました。

 確定判決で示された「判決確定の日から3年を経過する日までに開門し、以後5年にわたって開門せよ」との判断について、次の免許期間(13年9月1日~)に移行しても開門を継続することを命じていたことは明らかだと指摘。同訴訟で国側が主張する“免許期間の経過”のみでは「確定判決についての異議の事由とはならない」とし、高裁に差し戻して審理を尽くす必要性を強調しました。

 判決を受け、最高裁の正門前に詰めかけた有明海の漁業者と支援者らは「よかった」「良識が示された」と喜びあいました。

 「よみがえれ!有明訴訟」弁護団の馬奈木昭雄団長は「かろうじて司法の信頼が保たれた」と振り返り、「(最高裁は)漁業者に開門請求権はあると明言し、私たちが示した論点を一方的に切り捨てた高裁の審理も厳しく批判されました。開門しなければ問題は解決しません。差し戻し審を頑張り抜きたい」と決意を述べました。


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