2019年9月15日(日)
英語民間試験 「大いに不安」8割
高校長アンケート 7割「延期を」
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2020年度から始まる大学入学共通テストの英語で民間の資格・検定試験が利用されようとしていることについて、高校の校長の8割が「大いに不安がある」と感じていることが、全国高等学校長協会のアンケート調査でわかりました。7割の校長が民間試験利用を「延期すべきである」と回答しました。
調査は都道府県各10校ずつ、計470校の校長を対象に実施。
共通テストで民間試験の利用を実施することに不安はあるかとの問いに、「大いにある」と答えた校長は78・9%に上り、「少しある」も20・2%、「不安はない」はわずか0・9%でした。
来年度からの民間試験利用については、69・1%が「延期すべきである」と答えたのに対し、「課題があっても予定通り実施」が26・4%、「予定通り実施できると思う」は4・0%でした。
民間試験利用について「解決しなければならない課題は」(複数回答)との問いには、74・5%が「経済格差」を挙げ、「試験の公平性・公正性の確保」も74・3%、「地域格差」が70・0%。「制度設計そのもの」と答えた校長も60・0%いました。
共通テストでの英語の民間試験利用は、英検、TOEFLなど7種の民間事業者の試験のうちいずれかを2回まで受け、その成績が受験する大学に提供される仕組みです。目的も難易度も異なる試験の結果を公平に比較できるのかということや、地域によっては受験会場がない、受験料や交通費など経済的負担が重いなど多くの問題が指摘され、反対の声が広がっています。
全国高校長協会はアンケート調査の結果を踏まえて10日、英語民間試験利用の延期と制度の見直しを求める要望書を、文部科学省に提出しました。