2019年9月16日(月)
平和・表現の自由語る
九条美術の会 ちば・志田氏が講演
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全国の美術家・美術関係者でつくる「九条美術の会」は15日、東京都内で講演会を開き、約130人が参加しました。漫画家のちばてつやさんと憲法学者で武蔵野美術大学教授の志田陽子さんが平和や表現の自由への思いを語りました。
「漫画で戦争の語り部に」と題して講演したちばさんは、「満州」(中国東北部)から引き揚げた体験を描いたイラストをプロジェクターで映しながら、当時の過酷な状況を振り返りました。「飢えと寒さで多くの人が死んだ。今でもテロや戦争で同じ思いをする人がいます。漫画で戦争の体験を描き、若い世代に伝えていきたい」と話し、「戦争はしないとみんなで声をあげていけたら」と呼びかけました。
志田さんは、「憲法が保障する平和と表現の自由とは」をテーマに講演。「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」の展示中止に触れ、表現者の自由と同時に「知る権利」の侵害が問題だと指摘しました。また、戦時中の検閲の実態や、芸術作品に対して「解釈の自由」がなかったことを紹介し、異なる意見を排除せず議論を続けることの大切さを訴えました。最後に志田さんがミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌「夢やぶれて」を熱唱すると、会場は大きな拍手で包まれました。