しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年10月7日(月)

「核への警戒常に必要」

広島で平和賞の医師訴え

写真

(写真)原爆死没者慰霊碑に献花するコンゴ(旧ザイール)の医師デニ・ムクウェゲ氏=5日午後、広島市中区の平和記念公園

 昨年ノーベル平和賞を受賞したコンゴ(旧ザイール)の医師デニ・ムクウェゲ氏(64)は6日、広島市の平和記念資料館で講演しました。米ロをはじめとする大国の動向について「兵器を規制する新たな動きに反対し、既に存在する条約から撤退することもある」と指摘。「(核兵器の使用を)二度と繰り返さないために警戒が常に必要だ。もし核兵器が再び使われたら人類最後の戦争になり得る」と訴えました。

 ムクウェゲ氏は広島に投下された原子爆弾に使用されたウランが「当時ベルギーの植民地だったコンゴのカタンガ地域で採掘された」と紹介。豊富な鉱物資源の不法採掘が続いていると述べ「大きな危険だ。規制に努めなければならない」と危機感を表明しました。

 「平和があるためには、持続可能な開発があり、人権が守られなければいけない。平和な世界をつくるために一緒に立ち上がろう」と呼び掛けました。

 同氏は5日、被爆者の笠岡貞江さん(87)から被爆体験を聞きました。笠岡さんは12歳の時、爆心地から3・5キロ離れた自宅で被爆し両親を亡くしました。ムクウェゲ氏は笠岡さんに「過ちを繰り返してはいけない。人間の苦しみは世界共通のもの。あなたの声を伝える大使になります」と語り掛けました。


pageup