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2019年10月11日(金)

消費税、社会保障のため?

増税後も改悪論議次つぎ

安倍政権の「全世代型検討会議」

 “消費税は社会保障のため”と宣伝してきた政府が、10%でも足りないと、社会保障の給付カットと個人負担増を進める検討を強めています。


 その舞台の一つが、安倍晋三首相が議長を務める「全世代型社会保障検討会議」です。

窓口負担上げよ

 今月初旬に公表された議事録によると、9月20日の初会合では、民間議員として出席した、日本総研の翁(おきな)百合理事長が「74歳までの(原則2割の医療の窓口)自己負担を75歳を過ぎても継続することなど給付と負担について、さまざまな案の検討が必要だ」と、現在原則1割の75歳以上の医療の窓口負担の引き上げを促しました。

 これを受け、経済同友会の桜田謙悟代表幹事が「給付と負担の見直しの議論は避けて通れない」と強調。「医療分野はやるべきことは、はっきりしている。覚悟が必要」などと迫りました。

 経団連の中西宏明会長も「75歳になる方も負担を継続する、あるいは外来受診時の(一定額の追加)負担金というのはやむを得ない話だ」と主張。他の出席者からも「医療費の増加の抑制は地方財政上も喫緊の課題」(増田寛也元総務相)などと制度改悪を求める意見が相次ぎました。

 こうした議論を受け、麻生太郎財務相が「医療や介護を含めていろんなことを考えなければいけない」と発言。「団塊の世代が後期高齢者になり始める2022年度までに実効性のある改革が必要だ」と語っています。

消費税17%主張

 初会合後の9月24日、桜田氏は日本記者クラブでの会見で、消費税は「10%ではもたない」などと述べ、「17%」は必要だという同友会の独自試算に言及。「もし検討会議の中で痛みを伴う改革に一歩も前に進もうとしない状態なら相当しっかりもの申していかなければいけない」と話しています。

 一方、増田氏が会長代理を務める、財政制度等審議会財政制度分科会は9日、現在は公費で賄われている在宅介護サービス利用者の「ケアプラン」作成料の有償化など介護保険の改悪案を示しました。

 また財務省は、介護保険サービス全般で現在原則1割の自己負担割合を原則2割に倍増することも改めて提案しました。

 大企業・富裕層に応分の負担を求め、暮らし応援の政治に切り替えない限り、社会保障改悪か消費税の再増税か、あるいはそのいずれもか、という行き詰まりの道しかないことを示しています。


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