2019年10月16日(水)
志位委員長、中国大使と会談
尖閣・香港対応に批判表明
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日本共産党の志位和夫委員長は15日、着任あいさつで党本部を訪問した孔鉉佑(こう・げんゆう)駐日中国大使と会談しました。
孔大使は、日中両国の友好のために、「新しい時代にふさわしい新しい両国関係の構築のために努力したい」と抱負を述べました。志位委員長は、「日中両国の友好関係の発展、北東アジアの平和構築の問題などでの協力を進めていきたい」と述べました。
この機会に、志位氏は「重大な懸念をもっている問題」として、東シナ海と香港の問題を提起しました。
東シナ海の問題では、「中国公船による尖閣諸島の領海侵入、接続水域進入が激増・常態化し、日中関係が『正常な発展の軌道に戻った』と両国首脳が述べた後も、中国公船の領海侵入、接続水域進入が継続している」と指摘。志位氏は「中国側にどんな言い分があろうと、他国が実効支配している地域に対して、力によって現状変更を迫ることは、国連憲章などが定めた紛争の平和解決の原則に反するものであり、強く抗議し、是正を求める」と述べました。
香港問題では、「人権問題は今日の世界においては国際問題になっている」と指摘しつつ、「デモ参加者の一部による暴力は自制すべきと考えるが、民主主義を求める香港市民の運動に対する香港政府の抑圧的措置、それに支持を与えるとともに武力による威嚇を行った中国政府の立場に反対する」と表明。「『一国二制度』のもとで、事態が平和的な話し合いで解決されることを望む」と述べました。
孔大使は、志位委員長が提起した問題について本国に伝えるとのべた上で、これらについて中国政府の立場を説明しました。東シナ海の問題について、「現状変更をしてきたのは中国側ではなく日本側だ」として、「実効支配されているからといって手をこまねいているわけにはいかない」と述べました。
香港問題では、「人権や民主の問題ではなく、中国からの分離・独立をめざす勢力がいるということだ。中国としては香港政府を全面的に支持し対話を通じた解決を求めている」と表明しました。
これに対し、志位氏は、東シナ海の問題について、「現状変更をしてきたのは日本側」というが、中国公船が、日本政府による尖閣国有化(2012年)以前の2008年から領海侵犯をしてきた事実を指摘。「領土にかかわる紛争問題は、国際法と歴史的事実にもとづき冷静な話し合いで解決すべきであり、力による現状変更はやるべきでないと指摘している」と強調しました。香港問題については、大規模な平和的デモが起こった当初からそれを「組織的暴動」とし、香港政府の抑圧的措置に支持を与えてきた中国政府の立場に対してかさねて批判を述べました。
両氏は、朝鮮半島の情勢についても意見交換を行いました。今後、立場の異なる問題があっても、引き続き意見交換を続けていくことで一致しました。
会談には、日本共産党の緒方靖夫副委員長、田川実国際委員会事務局長、小島良一国際委員らが、中国大使館から楊宇(よう・う)、倪健(げい・けん)の両公使参事官らが同席しました。