2019年10月21日(月)
本格的な河川対策へ
小池書記局長、関電疑惑追及など要求
BS朝日番組
日本共産党の小池晃書記局長は20日放送のBS朝日番組「激論! クロスファイア」で、台風19号の災害対策、関西電力の「原発マネー」還流疑惑などをめぐって自民党の武見敬三参院議員、立憲民主党の福山哲郎幹事長と討論しました。小池氏は災害問題で「本格的な河川対策への切り換え」など具体策を示しました。
ダム事業増え河川は
台風被害では70を超える河川決壊が議論に。小池氏は、河川が堤防を乗り越え堤防を壊す「越水破堤」によって逃げ遅れなど人的被害が生じた問題を指摘し、「この『越水破堤』をどう防ぐかが課題」と強調しました。
そのうえで、国土交通省が1998年に「越水破堤を防ぐこと」を河川対策の基本方針にしたものの、2年後にはこの方針を撤回したことを指摘。「ダム事業推進の妨げになったからではないか」と告発しました。さらに、安倍政権下での5年間でダム事業予算が442億円増となる一方、河川事業予算は292億円も減らされていることを明らかにしました。
これに対し武見氏は「限られた予算の中でこれからもダムをつくって、電力の財源と自然災害対応という二つの機能をつくっていかなければならない」と発言。小池氏は「ダムの必要性は否定しないが、豪雨の時には放流の危険もあり、ダムだけに頼るような治水対策は考え直すべきだ。堤防の強化、川床の掘削、河川周辺の樹木の伐採などを行う予算が削られてきている。本格的に河川対策を行う方向に切り換えるべきだ」と提起しました。福山氏も「あちこちダムをつくったことによる副作用もあるのではないか」と述べました。
国会招致拒む理由は
関電の「原発マネー」還流疑惑で小池氏は、関電幹部らに多額の金品を渡していた森山栄治氏(故人)が助役を務めた福井県高浜町に経済産業省職員が2008年から切れ目なく出向し、その期間がプルサーマルを政府が推進する時期と重なっていると指摘し、政府・経産省の責任を問いました。
関電幹部らの国会招致をめぐって激しいやりとりになりました。自民・武見氏は「今回の“森山案件”は、極めて特殊な条件の中から出てきている」と、あくまで関電と森山氏との間の問題だと主張しました。
小池氏は「電力会社は国民の電気料金をもとに運営している。しかも原発という国策を推進し、再稼働という安倍政権の方針に基づいて仕事をしている。そこでこういう事態が起こった。ならば国会に(関電幹部など)関係者を呼び、国会の国政調査権できちんとただしていくべきではないか。なぜ与党は、国会招致を拒否し続けるのか」と迫りました。
武見氏は「強制的に出させるまでの根拠はまだない。(関電が設置した)第三者委員会は、元検事総長など公的な立場を経験した人たちで構成されている。それにいちゃもんを付けるのは、12月に(関電の第三者委員会の)報告書が出てからにしてもらいたい」と言い放ちました。
これに対し小池氏は「その第三者委員会は年内報告書は『約束できない』といっている」「第三者委員会の委員を指名したのは、金品をもらった関電の会長・社長だ。それで(公正公平な)調査ができるか」と反論しました。
閣僚の資格問われる
番組では、菅原一秀経産相側が、選挙区内の有権者に対し高級メロンやカニ、イクラなどを贈答し、集会で現金入りの封筒を配ったとされる疑惑も議論になり、小池氏は菅原氏の説明が次々変わっていることを問題視しました。菅原氏は当初は「そのようなことはございません」(10日)と完全否定していたのに、「しっかり確認したい」(11日)、「金品をもらったことはないと言ったが、それは金品は現金かなと思ってそのように答えた」(15日)とトーンダウンしています。
小池氏は「大臣が法律に抵触することをやったとすれば、大臣の資格が問われることになるのは間違いない」と指摘。武見氏も「明確に証拠があるということになれば、菅原一秀さんご自身が政治家としてきちんと出処進退を明らかにすべき問題だ」と言わざるをえなくなりました。