しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年10月26日(土)

日米貿易協定・デジタル貿易協定承認案に対する笠井議員の質問(要旨)

衆院本会議

 日本共産党の笠井亮議員が24日の衆院本会議で行った日米貿易協定・デジタル貿易協定に対する質問(要旨)は次の通りです。


 日米貿易協定は、交渉開始からわずか5カ月、交渉内容も経過も、国会や国民にも一切知らせず、前代未聞のスピードで合意、署名したものです。

 安倍総理はこの協定を、日米双方にとって「ウィンウィン」の中身になったと誇っています。しかしその内容は、秘密交渉によって、日本側が一方的に譲歩したものではありませんか。

 政府が、日本への影響について試算もなく協定を締結したことは重大です。これまでの自由化協定とあいまって、どれだけ農林水産物の生産減少をもたらすことになるか。農林水産業や地域経済への深刻な打撃を何ら考慮しなかったのですか。

 米国側は、日本は米国産農産物の輸入で、72億ドル(7800億円)もの市場を開放したとしています。これは事実ですか。この額は、現行の輸入額の6割にも相当します。国会に詳細を報告すべきです。

 本協定で、牛肉や豚肉などの畜産物の関税が大幅に引き下げられます。その上、米国産トウモロコシの大量輸入まで表明したことは、トランプ大統領が掲げる「アメリカ・ファースト」「バイ・アメリカン」に迎合した政治姿勢そのものです。

 日米共同声明では、「関税や他の貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁、その他の課題についての交渉を開始する意図である」と宣言されました。米国側の次の具体的な要求は何ですか。昨年12月の米USTR(通商代表部)の22項目の市場開放要求にもとづき交渉を進めるということではありませんか。突如締結された「デジタル貿易協定」は、米IT企業を保護するための協定に他なりません。個人情報保護や中小企業の利益よりも、GAFA(グーグル、アマゾンなどの米巨大IT企業)に代表される米国の巨大プラットフォーマーの利益を優先し、ビッグデータを制約なくビジネスに活用させようとするものではありませんか。

 本協定のどこが物品協定(TAG)ですか。まさにFTA(自由貿易協定)交渉そのものです。独占的利益を得ようとする米国の多国籍IT企業を背景にした、トランプ大統領の要求を丸のみしたものではありませんか。

 災害が多発するいま、国土保全など多面的機能を持つ農林水産業を衰退へと追いやり、食料自給率をさらに低下させる「亡国」の道を進んではなりません。食料主権・経済主権を破壊する日米貿易協定・デジタル貿易協定の国会承認は断じて認められません。日米FTA交渉はただちに中止することを求めます。


pageup