2019年11月16日(土)
きょうの潮流
かつての癒着や腐敗は往々にして「族議員政治」という言葉とともに語られ、それは「バラマキ」の形をとっていた。ところが、安倍政権の癒着は「私物化」に変質している▼政治学者の中野晃一さんが『私物化される国家』に書いています。バラマキではなく「ピンポイント」で、しかも子分や「弱者」に対してではなく、安倍首相夫妻の「お友だち」という特権的な地位にある人たちに、行政をねじ曲げて便宜を図る。そういう形態になっていると▼典型ともいえる「桜を見る会」がとうとう中止に追い込まれました。税金で賄う公的行事に安倍首相の後援会員が多数招待されている―。共産党・田村智子議員の追及から1週間、前夜祭をふくめた疑惑はふくれあがっています▼招待者のとりまとめには関与していないと言い張る首相。しかし、この会のためのツアー全般を後援会の事務所が手配していたことは複数の参加者の証言からも▼「どの問題も、安倍首相でなければ答えられない」。幕引きを許さず真相究明を求めた共産党の志位委員長は、この政権の体質についても厳しく。「ありとあらゆる『公』のものを私物化してきた」▼「しんぶん赤旗」日曜版記者の丹念な取材、列島に根を張る共産党の地方議員や政権をただす国会議員。そこに市民と野党の共闘が合わさり、事態を動かしています。権力監視はメディアの役割、今後も執念をもってと山本豊彦・日曜版編集長。「新しい時代の共同の力を生かし安倍政権を追いつめるまで」