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2019年11月17日(日)

香港政府は解決主導を

9大学学長が共同声明

 香港で反政府の抗議行動が続き、警察隊と対決する学生が大学に籠城する事態に発展するなか、一部の大学では16日も、学生が大学内にとどまりました。15日には、9大学の学長が共同で声明を発表し、問題解決へ「政府が速やかに具体的な行動を主導せよ」と香港政府に対応を迫りました。(鎌塚由美)

“混乱は社会分断の反映”

 声明は、香港大学、香港中文大学、香港理工大学、嶺南大学、香港浸会大学など主要9大学の学長によるもの。抗議の学生が大学を占拠し、警察隊が大学構内に有毒化学物質を含む催涙弾を撃ち込むなどの11日以降の暴力と対立の激化に触れ、大学にとって重大な試練となっていると述べました。

 声明は、「社会が分断されたことで、大学構内が政治的戦場と化したことは遺憾」と述べた上で、「政府の対応は問題解決に効果を発揮していない」と強調。抗議する学生への処罰を大学当局に求めることは、「現実からかけ離れている」と指摘。現在の混乱は社会の分断の反映であり、「この政治的行き詰まりを解決するために政府自らが主導し、対策を打ち出せ」と強調しました。

 地元メディアによると、学生が立てこもりを続けていた香港中文大学では15日、段崇智学長が抗議を続ける学生に撤収を要求。同日内に、一部を除き、大多数が撤収したといいます。同大学では、すでに年内は休校となり、留学生らは続々と帰国しています。

 ロイター通信は、学生が籠城したのは、少なくとも5大学と伝えています。香港中文大学では12日夜以降、警察隊が催涙弾を撃ち込み、学生が火炎瓶などで応戦する事態に発展しましたが、15日は、両者の衝突は起こりませんでした。


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