2019年11月21日(木)
日米貿易協定 参院審議入り
紙氏「米に一方的譲歩」
国内の農林水産業や地域経済に大打撃を与える日米貿易協定承認案が20日の参院本会議で審議入りしました。
日本共産党の紙智子議員は「農業を犠牲にして、自動車関税撤廃は先送り。トランプ米大統領言いなりに、日本側が一方的に譲歩した」と指摘。「金融、保険、為替をはじめ、米国はあらゆる分野で日本への譲歩を迫る要求を突き付けている」として、安倍晋三首相が応じないと答えた日米FTA(自由貿易協定)交渉そのものだと批判しました。
紙氏は、日米貿易協定の交渉経緯を振り返り、「国内向けには参院選挙が終わるまで交渉内容を覆い隠し、選挙が終わればトランプ大統領の選挙協力のために日本農業を差し出した」と指摘。外務省作成の協定の説明書で意図的に重要な文言を削除し、配布したとして「作為的ごまかしをすることなく資料や影響試算を提出したうえで、徹底審議することを強く求める」と述べました。
また紙氏は、今回の合意は「TPP(環太平洋連携協定)を超えない」などという政府に対し、「食料主権も、経済主権も犠牲にするTPPを凌駕(りょうが)する内容だ」と追及。協定の付属書には「米国は将来の交渉において農産品に関する特恵的な待遇を追求する」とあることや、牛肉のセーフガード発動など米国を特別扱いしていることなどをあげて政府の認識をただしました。
紙氏が、一方の国だけに「特恵的な待遇を追求」などを明記した協定は他にあるかとただすと、安倍首相は「わが国がこれまでに署名締結した経済連携協定に指摘のような記述はない」と認めました。