過半数が政権中枢の招待

「桜を見る会」追及チームの論戦

衆院内閣委

（写真）宮本徹議員

　「『桜を見る会』追及チームの宮本徹です」。日本共産党の宮本議員は２０日の衆院内閣委員会で、こう切り出しました。「桜を見る会」の安倍晋三首相による“私物化”疑惑が最大の焦点となった質疑。「追及チーム」の一員として連携して政府の姿勢をただした野党議員の追及から、「桜を見る会」をめぐり、安倍首相の疑惑がいっそう深まりました。

　宮本議員　国会の追及を逃れるために、私が資料要求をした当日（５月９日）に招待者名簿を廃棄したのではないか。

　大塚幸寛内閣府官房長　大型のシュレッダーを使おうとしたところ、各局の使用が重なったから（使えなかった）。

　宮本氏は、同氏が資料要求をした当日に招待者名簿が廃棄された問題をただしました。

（写真）黒岩宇洋議員

　「遅滞なく廃棄」するといいながら、「桜を見る会」終了後３週間を経過して廃棄した理由に、シュレッダーが使えなかったことをあげた大塚氏。宮本氏は、電子データも５月９日ごろに廃棄されていることに触れ、「国会の監視を避けるために廃棄したのではないか。民主主義の危機だ」と批判しました。

　菅義偉官房長官　自民党の推薦６千人程度、首相の１千人程度、副総理、官房長官、官房副長官１千人程度。

　宮本議員　安倍政権で急増した。まさに安倍政権の責任だ。

　菅官房長官は、招待者の過半数が自民党と政権中枢の関係者だと明らかにしました。

　また、招待者に、安倍首相の妻・昭恵氏の推薦があったことも認めました。宮本氏は「これを税金の私物化というのではないか」と力を込めました。

（写真）今井雅人議員

　立憲民主党、国民民主党などの野党共同会派の黒岩宇洋氏も「野党『桜を見る会』追及チームの黒岩です」と切り出しました。

　黒岩議員　（共産党の）田村議員への答弁は虚偽答弁だったのではないか。

　大西証史内閣審議官　不正確だった。おわび申し上げる。

　日本共産党の田村智子副委員長の参院内閣委員会（１４日）での質問を取り上げ、内閣府の答弁のデタラメぶりを指摘した黒岩氏に、大西氏は「内閣官房から内閣府に提出する『推薦名簿』は１年未満の文書として遅滞なく廃棄した」とする田村氏への答弁について、「不正確だったことをおわびする」と答弁。田村氏への答弁が虚偽答弁だったことを認めました。

　今井雅人議員　「桜を見る会」の飲食を委託している業者の選定方法は。

　大塚官房長　企画競争だ。評価については公表していない。

　野党共同会派の今井氏は、「桜を見る会」での飲食を提供する業者が、安倍昭恵氏と親しい会社なのではないかと追及しました。

　答弁から、今年の応募が、同社１社だけだったことも明らかになりました。

　「（選定の）評価は公表しない」と繰り返した大塚氏。今井氏は、「選定が公正に行われているか評価しなければならない。それが残っていないのは大変な問題だ」と批判しました。

２０１５年の前夜祭

宿泊先と会場　首相“異なる”

　安倍晋三首相は２０日の参院本会議で、桜を見る会の前夜祭にかんし２０１５年は会場と宿泊先が異なっている点について問われ、「ホテルにおいて事務的な手違いにより夕食会場が確保できないことが判明し、急きょ別のホテルに夕食会場を変更した」などと釈明しました。

　安倍首相はこれまで、前夜祭の参加費が１人５０００円とされた点について、「参加者の大多数が宿泊者という事情などを踏まえホテル側が設定した」と説明していました。立憲民主党の那谷屋正義議員は「首相の説明と矛盾する」とただすと、安倍首相は「ホテル側と相談した結果、提供するサービスの内容や参加者の規模等を勘案し、１人当たり５０００円という価格設定になった」などと説明を変えました。