2019年11月21日(木)
桜を見る会に“昭恵氏枠”
複数の参加者 本紙に証言
「私人」が推薦なぜ
政府の公式行事である「桜を見る会」に安倍晋三首相の妻・昭恵氏の推薦による招待もあったことが20日、分かりました。同日の衆院内閣委員会で日本共産党の宮本徹議員の質問に対し、大西証史内閣審議官が「安倍事務所において幅広く参加希望者を募るプロセスの中で、夫人からの推薦もあった」と認めました。昭恵氏と交流があった複数の参加者が本紙の取材に応じました。(丹田智之)
「桜を見る会」には毎年、安倍首相の支持者に加えて昭恵氏と親交のある人が多く参加してきました。
関東近県で企業を営む男性は、招待を受けた当時をこう振り返ります。
「2017年3月中旬、職場のドアの隙間に白い封筒が差し込まれていました。差出人を確認すると『内閣総理大臣 安倍晋三』の文字がありました。なぜ私のところに届いたのか、最初はよく分からなかった」
男性は招待状が届く2カ月ほど前、あるイベントで昭恵氏と名刺交換しました。「それ以降も18年、19年と続いて桜を見る会の招待状が届いた。私は安倍首相との面識はなく、自民党支持者でもない」といいます。
昭恵氏が校長を務める講座型スクール「UZU(ウズ)の学校」の関係者らも毎年のように参加しています。SNS上には、会場の様子を撮影した写真とともに「UZUの学校の皆さんとお会いできました」「安倍昭恵さん、お招きありがとうございました!」と書かれた投稿もあります。
同学校で講演し、17年の「桜を見る会」に参加した会社役員の男性は「昭恵さんからの連絡はありませんでしたが、これまでの関係性の中で招待していただいたと思っている」と証言しました。
昭恵氏について、政府は「公人ではなく私人である」とする答弁書を閣議決定(17年3月14日)しています。
「私人」がなぜ推薦できるのか―。昭恵氏からの推薦について、菅義偉官房長官は、宮本議員の質問に「政府からはやっていない」と行政側の関与を否定しています。
宮本氏は、質問の最後にこう指摘しました。
「政府からやっていなければ、総理から声をかけたということ。桜を見る会の私物化という点で極めて重大だ。総理に聞かなければならないことがあまりにも多い」