2019年11月24日(日)
中東非核化「真剣な決意」
初の交渉会議が「政治宣言」
【ニューヨーク=池田晋】中東における非核地帯創設に向けて、ニューヨークの国連本部で18日から開かれていた初の条約交渉会議は22日、「政治宣言」を全会一致で採択し閉幕しました。宣言は中東非核地帯条約の制定を「関連する国際決議に沿って、会議に招待された全ての国に開放し、だれも排除しない方法で追求するとの意思と真剣な決意」を表明しました。
議長「重要な一歩」
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バフース議長(ヨルダン国連大使)は閉幕にあたり、「重要な前への一歩をともに踏み出せたことを誇りに思う」と表明しました。次回の会期は2020年11月16~20日で、条約制定まで毎年開かれます。
中東で唯一の核保有国とみなされているイスラエルと、オブザーバーとして招待されている核兵器国(P5)の中では米国だけが不参加でした。
「政治宣言」は、条約の制定が「中東諸国による全会一致」で行われるとの会議の原則を確認し、「すべての中東諸国を無条件で招待する」と表明。会議に反対しているイスラエルにも、交渉参加への機会があることを強調しています。
中東非核化構想を主導してきたエジプトは「われわれは不参加国を待っている」と表明。パレスチナはイスラエル批判を控え、拘束力ある条約に向けた「歴史的な最初の一歩」と評価しました。各国からも、初会期が「成功」だったとの認識が示されました。
国連の中満泉・軍縮担当上級代表は閉幕後、「長い歴史の中で先延ばしされてきたことであり、非常に明確な形で(条約交渉)過程が始まったのは大きな一歩だ」と記者団に説明。来年春の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けても、「前向きだ」との考えを示しました。