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2019年11月25日(月)

日曜討論 笠井政策委員長の発言

 日本共産党の笠井亮政策委員長は24日のNHK「日曜討論」で、日韓関係や公的行事である「桜を見る会」を安倍首相が私物化した疑惑などについて、与野党の政策責任者と議論しました。


■日韓関係 改善の努力せよ

 冒頭、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄停止が議題となりました。

 笠井氏は「GSOMIAだけなんとかしても解決にならない。日韓関係改善の方向に向けて日本政府も努力すべきだ」と強調。安倍政権が、徴用工という政治的な対立の解決手段として貿易規制拡大という「禁じ手」を使ったことを見直すことや、安倍政権が過去の植民地支配の反省の立場を投げ捨てていることを見直すよう求めました。さらに徴用工問題については「植民地支配下の強制労働は人権問題であり、被害者の名誉と尊厳の回復が大事だ」と指摘し、日韓両国政府と最高裁が個人の請求権は残っていると認めていることをあげて「この立場に立ち、冷静な対応で解決することが大事だ」と主張しました。

 自民党の柴山昌彦政務調査会長代理は「妥当な判断がなされた」と発言。ただ問題の発端である徴用工問題については「1965年の日韓請求権協定で決着がついている」と従来の立場を述べるだけでした。

■核兵器廃絶 禁止条約批准を

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の長崎、広島訪問にかかわり、核兵器廃絶に向けた日本政府の姿勢が議論になりました。

 笠井氏は、教皇が国連での核兵器禁止条約の採択(2017年)に向けて積極的な役割を果たしてきたことを紹介し、「ローマ教皇が世界に発信する核兵器廃絶のメッセージに注目したい」と発言。安倍政権が教皇の広島、長崎訪問を歓迎する一方で、同条約に反対していることについて「恥ずかしい」と批判し、「唯一の戦争被爆国の態度が問われている」「あらためて核兵器禁止条約の署名、批准を強く求めたい」と力説しました。

■桜を見る会 結束し徹底追及

 安倍首相の「桜を見る会」私物化疑惑について、笠井氏は今年の「桜を見る会」の招待者1万5千人のうち、安倍首相招待枠が1千人、官邸枠が1千人、自民党枠が6千人に上ることにふれて「絵にかいたような税金の私物化だ」「安倍後援会を大々的に接待し、国民の血税で買収を行っていたという重大な疑惑だ」と批判。「来年は(同会を)中止して見直すと言うが、そんなかたちで疑惑にふたをするのは許されない」として、野党でつくっている「追及チーム」を「追及本部」に格上げし、真相解明のために結束して徹底追及していくと表明しました。

 立憲民主党の逢坂誠二政務調査会長は、招待者の名簿廃棄などをあげて「民主主義をおとしめる大問題だ」と指摘しました。

■安倍政権への評価 政治道徳の崩壊

 憲政史上最長となった安倍政権の評価についても問われました。

 笠井氏は「安倍総理は、ウソ、隠ぺい、忖度(そんたく)と強権で政権を維持してきた」と強調。「桜を見る会」の私物化疑惑についても、首相が招待者のとりまとめに「関与していない」と虚偽答弁をしたことや、招待者名簿が廃棄されたことをあげて「政治のモラル崩壊極まれりという事態だ」と述べました。

 笠井氏はまた、憲法を踏みにじって安保法制を強行するとともに、国民の暮らし、営業、経済を痛めつける消費税を一つの内閣で2度も増税したと批判し「最長と言うが、最悪だ」と指摘しました。元自民党ベテラン議員からも“安倍政権はもう終わらせるしかない”との声が上がっていることにもふれて安倍政権打倒のための共闘は広がっていることを紹介し、「こんな政治に決着をつけたい。野党側が、安倍政権に代わる政権の姿を示すために連合政権の話し合いも大いに進めていきたい」と話しました。

 国民民主党の泉健太政務調査会長は、格差が広がるなかで消費税が増税されて「庶民の生活が苦しくなっている」と発言。「野党がしっかり力を合わせ、今の政権に代わる枠組みをつくる必要がある」と話しました。

■憲法改定 国民求めてない

 安倍政権が狙う改憲をめぐる議論について笠井氏は、「今、憲法で問われているのは、教育の機会均等を破壊する入試制度など憲法違反の事態をすぐに是正することだ。その(議論する)場は予算委員会だ」と指摘。国民が求めていないのに、安倍首相が旗ふりして9条改憲案づくりをする憲法審査会は動かすべきでないと主張しました。

 国民投票法案については「CM規制とか最低投票率がないなど多くの欠陥があるのに議論もせず、与党案を押し通すことは許されない。今国会での採決は認められず、審議継続を求めることが野党の一致した要求だ」と述べました。

■今後の国会審議 安倍政権に引導

 最後に今後の国会審議について各党が発言しました。

 笠井氏は「野党で一致結束して安倍政治を徹底的に追及していきたい」と発言。「桜を見る会」問題に関しては、自民・公明の与党に「(安倍首相出席のもとでの)衆参予算委員会の集中審議に応じて説明責任を果たさせるべきだ」と求めました。笠井氏は「消費税増税、暮らし・商売・農業破壊の政治を押しつけながら、血税で買収など許されない。こんな政治はもうお引き取り願わなければいけない」と強調。「会期末までの2週間、野党の力をあわせた国会論戦と国民の審判で、安倍政権に引導を渡したい」と語りました。

 立民・逢坂氏は、補正予算を含めた災害対応や、野党が共同で提起している大学入学共通テストへの記述式試験の導入中止などを要求。国民・泉氏は、英語民間試験の導入中止など野党が成果を上げていることにふれたうえで「野党が結束して次に向けた政策づくりにあたっていきたい」と語りました。


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