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2019年11月25日(月)

「桜」前夜祭 5000円で赤字なし?

補てんなら公選法違反の「寄付」

自民党関係者・利用者も疑問

 安倍晋三首相の後援会が高級ホテルで開催した「桜を見る会」前夜祭について自民党関係者やホテル利用者らから、疑問の声があがっています。「会費5000円で本当にできるのか?」というのです。


 安倍首相の後援会は、「桜を見る会」の前日夜に、都内の高級ホテル「ニューオータニ」で前夜祭を開きました。会費は5000円でした。

 政治資金パーティーで同ホテルを頻繁に利用していた自民党元閣僚の秘書は、こうつぶやきます。「会費5000円でやると、出血覚悟だな」。赤字が出て補てんが必要になる、というのです。

 安倍首相は、前夜祭に800人ぐらいが参加したと説明しています。「利益を出すための政治資金パーティーなら、料理を500人分にする。あとは、料理でそばやサンドイッチを増やせば安くなる。それでも5000円はきついか…」とこの秘書はいいます。

必ず明細もらう

 同じくこのホテルを利用してきた自民党元幹部の秘書は、「政治資金パーティーなら料理を半分に減らすことはある。参加者も料理が少ないことに慣れているから文句もこない。ただ懇親会だったら料理を減らすのは難しい」と首をかしげます。

 安倍首相側は前夜祭の明細書や見積書が事務所にない、と断言しています。この秘書は、「パーティーの主催者側は、参加人数に頭を悩ませる。コストで油断すると赤字すれすれになるからだ。うちなら明細書をもっていないとかありえない」と言い切ります。

 自民党幹部の関係者は、「5000円というのは不自然だ。見積書がないというのもおかしい」と語ります。「ホテルの担当者が、しょっちゅう事務所まできて『看板をどうしますか』とか『レイアウトは?』などの相談をする。当然、見積書はもらう」

 ホテル側が公表している立食パーティーの金額は、ひとり1万1千円から。このホテルで定期的に会合を開くある民間団体の場合、立食パーティーでホテルと交渉し、金額を1万円にしたといいます。この団体の幹部は「料理を減らしてなんとか1万円にした。出席者から料理が少ないと苦情がきた。5000円は安いね」と驚きます。

 政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は、「安倍事務所が不足分を補てんしたとすると、有権者への寄付で公職選挙法違反となる。また政治資金収支報告書に補てん分を記載していなければ、政治資金規正法違反にあたる。安倍首相はきちんと説明すべきだ」と指摘します。


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