2019年11月30日(土)
「仕様書」内閣府が作成
政府が公式に認める
桜見る会 区分番号「60」の説明は拒否
安倍晋三首相主催「桜を見る会」の招待状発送を内閣府が外部委託したさいの「仕様書」について、政府は29日、内閣府の正式な文書だと認めました。「仕様書」は、日本共産党の田村智子議員が内閣府から提出を受け、25日の参院行政監視委員会で取り上げたもの。政府は自らの提出資料であるにもかかわらず、「仕様書」に記された「総理・長官等の推薦者(60、61、62、63)」の意味は「分からない」などと確認を拒否してきました。
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自民党の森山裕国対委員長は29日、立憲民主党の安住淳国対委員長と会談し、「仕様書」は「内閣府として提出した資料だ」と、政府の説明を伝達。招待状の区分番号についても「招待状の発送を効率的に行うために付しているものだ」と認めました。
安住氏は「政府側の資料であることが確定した」「ここからさらに真実を追及するために努力をしたい」と表明しました。
内閣府の大塚幸寛大臣官房長は同日の衆院財務金融委員会で、日本共産党の清水忠史議員の質問に対し、「仕様書」は「内閣府において作成したものだ」と初めて公式に答弁しました。
一方、区分番号については、「会の終了をもって使用目的を終える。現時点でこれらの情報は保有していないので答えられない」と従来の答弁を繰り返しました。清水氏は、自ら作成した文書について説明できないという政府の姿勢に、「おかしい。国会を愚弄(ぐろう)する答弁だ」と批判しました。
野党側は28・29両日、書記局長・幹事長会談を開き、「桜を見る会」への反社会的勢力の出席や、「ジャパンライフ」会長あて招待状に「総理・長官等の推薦者」の「招待区分」と同じ「60」が明記されていることを重大視し、政府が招待の経過を説明し、区分番号「60」が「総理枠」だと認めることが審議の前提だとの態度で一致していました。
政府が「仕様書」や「区分番号」の性格を認めたことで、事態は大きく変わりました。野党は、政府に重大な説明責任があるとして、首相出席の予算委集中審議を厳しく要求する姿勢をさらに強めています。