2019年11月30日(土)
「桜」記載 18年もなし
政治資金収支報告 首相関連6団体
規正法違反の可能性
首相主催の公的行事「桜を見る会」について、安倍晋三首相の後援会員らが参加した2018年のツアーや前夜祭に関する費用が、安倍首相の関連団体の政治資金収支報告書に明記されていないことが、29日に公表された同年分の政治資金収支報告書で分かりました。(丹田智之)
総務省や山口県選挙管理委員会が公表した収支報告書によると、安倍首相が代表を務める政党支部など関連6団体のいずれにも、同年4月に開催された桜を見る会や前夜祭に関わる収支は明記されていませんでした。
安倍首相の事務所は15年の同会について、スタッフの旅費89万710円を支出したことを認めています。
しかし同時に、桜を見る会や前夜祭について「全ての費用は…参加者の自己負担で支払われており、安倍事務所や安倍晋三後援会としての収入や支出は一切ない」と説明。政治資金収支報告書に記載する必要はないとしています。
明記なし不自然 説明責任果たせ
政治とカネの問題に詳しい上脇博之・神戸学院大学教授の話 安倍事務所が参加者を募って、800人以上が参加した大きなイベント。何らかの収支は発生したはずだ。であれば、一つの事業として政治資金収支報告書に記載するのが通常。明記がないのは不自然で、政治資金規正法違反の「不記載」に問われる可能性もある。首相は説明責任を果たすべきだ。