2019年12月1日(日)
金融緩和が悪影響
大門氏 日銀総裁を追及
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日本共産党の大門実紀史議員は19日の参院財政金融委員会で、長期にわたる金融緩和政策が家計に悪影響を与えているとして、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の認識をただしました。
大門氏は、1991年の金利水準が2017年まで続いたと仮定した試算として、家計の利子所得が年平均16・7兆円、27年間で450兆円にのぼる一方、企業が支払わずにすんだ利子は年平均24・5兆円だとして、「家計から企業への所得移転ではないか」と追及。黒田総裁は、所得移転の事実と家計への悪影響を認めた上で、「金融緩和の効果は、投資が雇用・所得に与えた影響等全体で評価すべき」だと答弁しました。
大門議員は「実質賃金は上がらず、消費は低迷している」として、経済の循環で家計にプラスは及んでいないと批判。エコノミストからも「(低金利は)家計へのステルスタックス(隠れた税金)」だとの指摘があると紹介しました。
さらに、長期の金融緩和により金融資産が実体経済に比べて急拡大した実態をデータで示し、株高を通じた資産格差の拡大が進んだ結果だと指摘しました。