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2019年12月7日(土)

COP25inマドリード

石炭火力発電企業に融資

日本3銀行 上位独占

年金も投資

 【マドリード=遠藤誠二】ドイツの環境NGO(非政府組織)「ウルゲワルド」とオランダの同NGO「バンクトラック」は5日、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開かれているスペインのマドリードで、2017年1月から今年第3四半期までに、世界の民間銀行が石炭火力発電企業に1590億ドル(約17兆1700億円)融資し、うち日本の銀行が融資額で上位3位を独占したとする調査結果を発表しました。

 融資銀行のトップ3は1位が、みずほフィナンシャルグループ(FG)(168億ドル=1兆8100億円)、2位が三菱UFJ・FG(146億ドル)、3位が三井住友銀行(79億ドル)。日本の銀行は全体の融資額の32%を占めます。

 調査結果は今年、石炭火力発電企業に1922の機関投資家が2760億ドル投資したと発表。投資額1位は米国の資産運用会社ブラックロックの176億ドル。2位は日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の174億ドルで、国民の年金が地球温暖化促進のために使われている形です。上位10位のうち日本の投資家は4者。投資額全体に占める割合は米国の29%が1位で、日本は23%の2位。

 ウルゲワルドのシュウキング代表は5日、「国連事務総長や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、世界中の気候科学者らが石炭火力発電の迅速な廃止を呼びかけているが金融機関は聞く耳も持たず、この3年間で総額7450億ドル(約80兆円)ものばく大なお金を新たな石炭火力発電所のために投融資しました」とコメントを発表。日本企業に対して「電源開発や関西電力などの電力会社だけでなく、丸紅、三菱商事、住友商事などによってオーストラリアからバングラデシュまで新しい石炭火力発電所が開発されているのを見るのは遺憾です」と述べています。


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