2019年12月10日(火)
「野心目標」での合意なるか
COP25後半へ
「変化を起こそう」市民がデモ・集会
国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が、スペインの首都マドリードで2日に開会して1週間がたちました。13日の閉会までに、積み残した課題で合意し、地球温暖化対策の国際的枠組み=パリ協定を始動させることができるのか、残り1週間の議論に世界中の注目が集まっています。(マドリード=遠藤誠二)
議論の中心の一つは、パリ協定で未解決の温室効果ガス削減量の国際取引(協定6条)運用ルール。今週から始まる閣僚級会合を経てまとまるのか注視されます。
また、「コモン・タイム・フレーム」と呼ばれる2031年からの目標設定の共通の時間枠の設定、巨大台風など気候変動による悪影響(「損失と被害」)に対処する組織「ワルシャワ国際メカニズム」の見直しなどが話し合われています。
国際的な環境NGO=CANインターナショナルはCOP25開幕翌日の3日、温暖化対策に消極的な国・地域におくる「化石賞」を日本に授与しました。
11日には小泉進次郎環境相が演説し、日本政府の姿勢を示します。COP25でも石炭火力発電にまい進する日本には内外の批判が絶えず、内容次第では今会議中2度目の化石賞受賞の可能性もあります。
6日夜、マドリード中心部では、根本的な地球温暖化対策を求める市民、COP25参加者によるデモ行進と集会が行われました。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんは集会で、「希望はこの(集会の)中にある。変化を起こそう」とよびかけました。
パリ協定は今世紀末までに産業革命からの気温上昇を2度より十分低く、できれば1・5度に抑える目標を定めています。現在、各国が掲げる目標(NDC)では、達成は不可能。2030年までに温室効果ガスの45%削減、2050年までに排出量を実質ゼロにすることが求められ、シュミットCOP25議長は「スローガンではない。行動を」と訴えています。各国がより踏み込んだ「野心目標」をあげる意思を示すかどうか問われます。