しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年12月19日(木)

「苦しみ、私たちで終わりに」

原爆症 判決に従え

日本被団協 厚労相と定期協議

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、原爆症認定集団訴訟全国原告団、同全国弁護団と加藤勝信厚生労働相との定期協議が18日、厚生労働省で行われました。


写真

(写真)被爆者の願いが実現するよう求める被団協の人たちと弁護団=18日、厚労省

 日本被団協の田中重光代表委員は、原爆症認定集団訴訟の終結に関する確認書で、厚労相との定期協議の場を設け、訴訟の場で争う必要がないよう解決をはかると確認して10年になるが、何も解決していないと述べ、誠実な協議となるよう求めました。

 木戸季市(すえいち)事務局長は、定期協議の開催時期について、概算要求前にもてないかと提起。また、実のある定期協議となるよう事務レベルで内容を詰めていくことが必要ではないかと問いました。

 中川重徳弁護士は、被団協と弁護団が2018年に提出した「当面の要求」について、がん・非がんの別なく、疾病、被爆距離、入市時間・地域を一本化したもので、法改正なしに実現できることを説明。「どうすれば裁判が起きないですむか、考えてほしい。行政の認定基準を裁判所の判断に合わせることです」と求めました。

 加藤厚労相は、「中身につながる協議にするため、どうすればいいか、事務方とも相談する」とのべましたが、認定基準を司法判断に合わせることについては明言しませんでした。

 広島で被爆した児玉三智子さんは、「原爆被害は、いつまでも追い続けてくる。こんな苦しみは、私たちだけで終わりにしなければいけない」と訴えました。

 同じく広島で被爆した金本弘さんは、「人間にとって耐えがたい痛みとは何か」と問いかけ、「裁判で何度話しても国に理解されない」という友人のことばを紹介しました。

 このほか、高齢化した被爆者および被爆2世にたいする援護施策の充実などを要請しました。


pageup