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2019年12月20日(金)

安倍政権 隠ぺいを徹底

「桜」名簿 調査も拒む

要求のたび廃棄・削除

 「廃棄したのでわからない」「廃棄はルールにのっとって適切に行われた」。安倍晋三首相主催の「桜を見る会」疑惑をただす野党側に、菅義偉官房長官や内閣府幹部が、同会の招待者名簿の廃棄を盾に答えず調査も拒んでいます。しかし、「名簿廃棄」を持ち出すたびにあらわになるのは安倍政権の隠ぺい体質です。

昭恵氏と関係

 「桜を見る会」の招待者名簿は、各省庁から提出される推薦者名簿を基に内閣府が作成。発送する招待状には、内閣府が推薦省庁ごとに指定した「区分番号」が記されます。首相や副総理、官房長官、官房副長官、自民党国会議員など政治家からの推薦者名簿は、内閣の補助機関である内閣官房が取りまとめて提出しています。

 この選考・招待で判明したのが、安倍首相側の私物化疑惑です。安倍首相の地元後援会関係者や、妻・昭恵氏とつながりのある関係者が多数招待され、マルチ商法で行政処分を受けた「ジャパンライフ」会長(当時)に届けられた招待状には安倍首相枠とみられる「区分番号」が記されていました。推薦・招待者名簿をはじめ招待区分を記した文書の内容が明らかになれば、疑惑は決定的になります。

 際立つのは、内閣府と内閣官房の徹底した隠ぺいです。

 各省庁は自ら作成した推薦者名簿の保存期間を最短でも3年と文書管理規則で規定していますが、「政治家枠推薦」を扱う内閣官房は規則を改定し2018年4月から「1年未満」に変更。今年分の推薦者名簿と電子データは「『桜を見る会』終了後、1週間程度のうちに廃棄した」(菅官房長官)といいます。

虚偽の答弁も

 内閣府も18年4月から保存期間を「1年未満」に変えました。この理由について菅官房長官は「膨大な量の文書を適切に管理する必要がある。内閣府には数多くの省庁からの(推薦者)名簿が集まるから」と説明。記者団から「内閣官房は他省庁分(の推薦者名簿)が集まるわけでもないのになぜ『1年未満』に設定されているのか」と問われると、「経緯の詳細については承知していない」としか答えられなくなりました。

 今年分の招待者名簿は、日本共産党の宮本徹衆院議員の資料要求直後に廃棄され、名簿の電子データも同時期に削除されています。削除された電子データは8週間(5月9日削除であれば7月4日ごろまで)はバックアップデータ(予備保存データ)として残存。ところが内閣府は5月21日の宮本氏の質問に「資料は破棄した」と虚偽の答弁までしています。

 内閣府、内閣官房は10月28日、保存期間「1年未満」とした行政文書の名称から「桜を見る会」を削除。日本共産党の田村智子参院議員が内閣府に「桜を見る会」の説明を求めた3日後の動きです。

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