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2019年12月26日(木)

カジノ利権 闇の一端

秋元容疑者、推進深く関与

 自民党(離党)の秋元司衆院議員逮捕で、日本国内のカジノへの進出をねらう海外カジノ企業による贈収賄事件となったカジノ疑獄。巨大なカジノ利権をめぐる深い闇の一端が浮かび上がっています。(竹腰将弘)


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(写真)衆院内閣委員会でカジノ法案の採決を強行した秋元司委員長(左、当時)=2016年12月2日

 この間の国会で、カジノ解禁の動きを先導してきたのは超党派のカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟、会長・細田博之自民党衆院議員)でした。安倍晋三総裁率いる自民党が政権復帰した直後の2013年4月、同議連は自民党主導のものへと再組織され、そこで副幹事長の要職を占めたのが秋元議員でした。

 秋元議員は、16年12月にカジノ解禁推進法をわずか6時間の審議で強行採決した際の衆院内閣委員長です。17年8月には観光政策を統括する国土交通副大臣、カジノ担当の内閣府副大臣を兼務し、政府による国内のカジノの制度設計に深く関与しました。カジノ利権に最も近いところにいた議員の一人です。

 カジノ議連が13年12月にカジノ解禁推進法案を国会に提出したのを契機に、「日本のカジノ解禁間近」とみた海外のカジノ事業者の動きは激しさを増しました。ラスベガス・サンズ、MGM、ウィンなどアメリカ勢、メルコ、SJM、ギャラクシー、ゲンティンなどマカオを中心とするアジア勢が入り乱れ、「1兆円規模の投資もいとわない」と巨額投資をちらつかせながら日本進出を競い合ってきました。

 今回の事件の一方の主役となった500ドットコム社は中国本土のオンライン宝くじ・スポーツくじ販売会社です。日本への進出をねらったのは17年夏以降と、いわば新参でした。中国国内での顧客基盤を生かした営業力やギャンブル依存症対策のノウハウを売り物に、沖縄や北海道留寿都村をターゲットに参入運動をしていました。

 海外カジノ企業は、日本でカジノが開業すれば、マカオに次ぐ「世界第2のカジノ市場」になると見込み、必死の利権争いを繰り広げています。

 米カジノ事業者の代理人が、カジノ議連中枢メンバーに政治資金パーティー券購入という形で資金提供を行っていたことも報じられています。

 カジノマネーによる日本の政界汚染の実態を徹底解明するとともに、カジノ解禁は白紙に戻し、一から議論し直すべきです。


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