2019年12月28日(土)
ベアに人事評価導入
トヨタ労組検討 賃金格差さらに
トヨタ自動車労組は来年の春闘で、賃金を底上げするベースアップ(ベア)について、人事評価に応じて格差がつく方法を会社側に提案することを検討していることが分かりました。
「100年に一度の大変革期を生き抜く」(豊田章男社長)として、国際競争力強化を打ち出す会社側の方針に応えるものとして検討されています。
組合側は「組合員が気概を持って競争力強化に取り組んでいる」として、「より頑張っている人に報いる」「メリハリをこれまで以上につけて配分したい」としています。
トヨタではすでに5段階の評価にもとづいて格差がつく仕組みが導入されています。ベアまで差がつけば、賃金格差がいっそう広がることになります。
職場からは「ワンチームで頑張ろうといっているときにベアまで格差をつけるのは矛盾している」「今でも人事評価が高くないと昇給できず賃金も上がらない。ベアもそうなれば格差が広がる一方だ」との声が出ています。
会社側はこれまで一律の賃上げを見直したい考えを表明。18年春闘で会社側は「横並び回答」を脱するとしてベア回答を非開示にする方針に転換しました。19年には組合も要求額を明示せず交渉する方式に変えました。
3月の春闘妥結時には冬の一時金を回答せず、10月になって満額で妥結しています。