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2020年1月7日(火)

中国出先機関トップ就任会見

香港情勢 抗議行動をけん制

 中国政府の香港駐在の出先機関、香港連絡弁公室のトップに就任した駱恵寧(らく・けいねい)主任は6日、同弁公室で会見し、香港政府への抗議行動が続く情勢に関し「正しい軌道に戻ることを切望している」と述べました。

 駱氏はまた、「祖国(中国)は常に香港の最も強力な後ろ盾であり続ける」と強調。香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官については、各界との共同で、「『一国二制度』が着実に実施され、香港の長期の繁栄と安定につながると確信している」と語りました。

 駱氏は、抗議行動に言及し、習近平国家主席が新年のあいさつで、香港の「調和がとれた安定した環境」の必要性を強調したと紹介。これまで中国政府は、抗議活動に対し「暴力を止め動乱を制する」(李克強首相、12月)と述べてきましたが、同日の会見では、同文言は使いませんでした。

 中国政府は4日、17年以来主任を務めていた王志民氏の後任に駱氏を起用する人事を発表。王氏は、事実上の更迭とみられています。駱氏は、記者団に対し、「香港については不案内だ」とし、主任を務めることは「新しい挑戦だ」と語りました。65歳の同氏は、昨年末に山西省党委員会書記を定年で退任。同弁公室主任としては、最高齢での就任です。

 香港からの報道によると5日には、深圳と境界を接する九龍半島の上水で、民主派が呼びかけた抗議行動が行われ、主催者によると1万人が参加しました。

 家族連れの市民が「香港に自由を。われわれの革命だ」と民主化を求めるスローガンを叫ぶとともに、免税商品を買い占めて大陸で転売する「並行輸出」を行う中国本土の人々に抗議。「愛国者は国産品を使え。並行輸出には反対」と訴えました。警察隊が多く配備され、現地メディアによると40人以上が逮捕されました。

 (鎌塚由美)


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