2020年1月11日(土)
「京都を愛するアピール」 賛同者144人に
全国に広がる「危機感」
京都市内のホテル建設ラッシュや「観光公害」など「京都が京都でなくなる」事態に、「『住んでよし 訪れてよし』の京都のまちをつくろう」と、昨年11月に呼びかけられた「京都を愛するアピール」への賛同が144人(8日時点)に広がっています。
賛同者は、ホテル建設から景観・住環境を守ろうと立ち上がった住民や、宮城泰年・聖護院門跡(しょうごいんもんぜき)門主、すき焼きの老舗「三嶋亭」5代目当主の三嶌太郎氏ら当初の33人から、新たに、全日本ホテル旅館協同組合理事長の金沢孝晃氏、日本環境学会元会長の畑明郎氏、映画監督の圡橋亨氏、元東京都国立市長の上原公子氏など、全国から賛同が寄せられています。
アピール呼びかけ人の一人、中島晃弁護士は「全国の人たちも、京都の良さが失われていることに危機感を持っている。(門川)市長は(ホテルの)『お断り宣言』などと言って火消しに走っているが、仁和寺(にんなじ)前や元植柳(しょくりゅう)小学校跡地へのホテル誘致など、その姿勢は変わっていない。市長選の大争点として大きく訴えていきたい」と話しています。
立候補予定者3氏には、アピール呼びかけ人が公開質問書を提出。ホテルなど宿泊施設の総量規制への見解、学校跡地の提供や「上質宿泊施設誘致制度」によるホテル業者への便宜など、誘致の根本的見直しなどについて質問しています。
アピールは、京都市の過大な宿泊施設の拡充・誘致、学校跡地のホテル用地への提供、建物の高さ制限の緩和などを告発。京都らしい趣やたたずまいが失われようとしている事態に、「安心して住み続けられる京都のまちづくりのために、思想・信条、立場のちがいをのりこえて共に力をあわせよう」と呼びかけています。